ニュース速報
ビジネス

AI、短期的にインフレ押し上げ要因に=カナダ中銀総裁

2024年09月21日(土)01時41分

カナダ銀行(中央銀行)のマックレム総裁は20日、企業による相次ぐ人工知能(AI)の導入に伴い、短期的には需要拡大をもたらし、インフレ圧力を高める可能性があるとの考えを示した。2023年6月撮影(2024年 ロイター/Dado Ruvic)

[オタワ 20日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)のマックレム総裁は20日、企業による相次ぐ人工知能(AI)の導入に伴い、短期的には需要拡大をもたらし、インフレ圧力を高める可能性があるとの考えを示した。AI技術への旺盛な投資の動きが見られるほか、データセンターの建設が相次いでいることで電力需要が急増していると指摘した。

マックレム氏はトロントで開催されたAI関連のイベントで、AIが生産性を高めることで供給力を増やすとしながらも「短期的には需要を押し上げる。そうなれば、AIの導入は短期的にはインフレ圧力を高める可能性がある」と述べた。

AI技術を巡っては、各国の中銀がインフレを安定的に低く維持するため、物価と雇用の動きをより正確に予測することに役立てるための方法を検討している。マックレム氏は、中銀はAIが労働者や消費者、経済、物価にどう影響するかについて理解を深める必要があると指摘。世界経済が不確実性を増していることもあり、AIの影響によって、新型コロナウイルス禍前の25年間よりも物価動向が不安定になる可能性があるとも言及した。

世界の中銀が加盟する国際決済銀行(BIS)は6月、中銀がAIの強みを活用すべきだとする一方、金利設定に関してはAIが人間に取って代わるべきでないとする報告書を公表している。

マックレム氏は、AI導入に伴う仕事の置き換えが目立った雇用減につながっている証拠はないとした上で、そうした広範囲にわたる影響については予測が難しいとして、注意を促した。

カナダ銀行では、すでにインフレ予測や経済心理の動向、データの検証、効率性の向上にAIを使用している。ただ、導入は初期段階といい、マックレム氏は「慎重に手探りで進む」と、より詳しい情報を収集していく意向を示した。

マックレム氏によると、カナダは企業が責任を持って生成AIの開発と管理を確保するための自主行動規範を昨年まとめたという。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

韓国大統領、ドローン侵入で北朝鮮に遺憾表明 金与正

ワールド

米・イスラエル、イランの石油化学施設攻撃 過去24

ワールド

イスラエル、イラン最大の石油化学施設を攻撃 国防相

ワールド

茂木氏がイラン外相と電話会談、停戦提案や首脳会談な
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐせ・ワースト1
  • 3
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙の2大テーマでAI懸念を払拭できるか
  • 4
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 5
    地面にくねくねと伸びる「奇妙な筋」の正体は? 飛行…
  • 6
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 7
    トランプ、イランに合意期限「米東部時間6日午前10時…
  • 8
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 9
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 10
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 4
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 5
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 6
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 7
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 8
    中国がイラン戦争最大の被害者? 習近平の誤った経…
  • 9
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受…
  • 10
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中