米ベライゾン、200億ドルでフロンティア買収 光ファイバー網強化へ
米通信大手ベライゾンは5日、同業のフロンティア・コミュニケーションズを約200億ドルで買収すると発表した。2016年10月撮影(2024年 ロイター/Brendan McDermid)
[5日 ロイター] - 米通信大手ベライゾンは5日、同業のフロンティア・コミュニケーションズを約200億ドルで買収すると発表した。光ファイバー網の拡大が狙い。現金取引による買収手続きは約1年半後に完了する見込みで、実現すれば競合相手のAT&Tなどに対する競争力を高めることになりそうだ。
ベライゾンは1株当たり38.50ドルを提示。買収の可能性が報じられる前日の3日のフロンティアの終値に対して37.3%のプレミアムが上乗せされている。6月30日現在、フロンティアの負債総額は112億5000万ドル。
4日に約38%急騰したフロンティア株は、5日の寄り付き前の取引でベライゾンの提示価格を下回る35.14ドルに下がり、ベライゾンは約1%上昇した。
フロンティアの光ファイバー網は、米国の中西部やテキサス州、カリフォルニア州など25の州をカバーし、加入者数は計約220万人。一方、ベライゾンは北東部と中部大西洋岸地域を中心とする9州と米首都ワシントンに計約740万人の加入者を抱える。
ベライゾンのハンス・ベストバーグ最高経営責任者(CEO)は「フロンティアを買収することは戦略上、適切だ。全米のより多くの市場で競争力を高める機会となるだろう」と表明した。
買収が実現すれば、3年目までに少なくとも年間5億ドルのコスト削減が可能になり、ベライゾンの業績向上につながるとみられる。両社を巡っては、ベライゾンが2016年にカリフォルニア州、テキサス州、フロリダ州のテレビ・インターネット事業をフロンティアに105億4000万ドルで売却した経緯がある。