ニュース速報
ビジネス

午後3時のドルは小幅高147円付近、買い戻し優勢 米CPIを見極め

2024年08月14日(水)15時36分

 8月14日、午後3時のドルは、前日のニューヨーク市場終盤(146.82/85円)から小幅高の147円付近で取引されている。写真は米ドル紙幣。2022年7月撮影(2024年 ロイター/Dado Ruvic)

Mariko Sakaguchi

[東京 14日 ロイター] - 午後3時のドルは、前日のニューヨーク市場終盤(146.82/85円)から小幅高の147円付近で取引されている。ニュージーランド準備銀行(中央銀行、RBNZ)による利下げや株安を背景とした円買いが一服。今晩の米消費者物価指数(CPI)を控えて様子見姿勢が広がる中、ドルは売られ過ぎた反動もあり買い戻しが優勢となった。

ドルは仲値公示にかけてはじりじりと買われ、一時147円前半まで上昇。その後、岸田文雄首相が9月の自民党総裁選に出馬しない意向を固めたと報じられたことをきっかけに、146円後半までやや円高に振れる場面があった。「自民党総裁選の具体的な候補者は不透明であるものの、日銀の利上げ・円安是正という連想が働いた可能性がある」(国内銀のストラテジスト)との声が聞かれた。

その後、ドルは一時146.07円付近まで下落。ニュージーランド中銀が約4年ぶりに利下げを決定したことを受けて、ニュージランドドル/円が下落。豪ドルやユーロなどクロス円が下落し、ドル/円も連れ安となった。

また上昇していた日経平均株価が下落に転じたことから、ドルは一段と下押された。岸田首相の自民党総裁選への不出馬表明を受けて、政治への不透明感から海外勢による株売りで為替ヘッジを外すための円買いが生じるとの思惑が広がったもよう。

  しかしその後、ドルは売られ過ぎた反動や値ごろ感から買い戻しの動きが活発化し、147円付近まで水準を戻した。

今晩発表される米消費者物価指数(CPI)やあすの米小売売上高に市場の注目が集まる。あおぞら銀行のチーフマーケットストラテジスト、諸我晃氏は「景気減速が示されるかどうかがポイントになる」とした上で、市場では9月の利下げ織り込みが進み過ぎていることもあり、「ドルは上値も重いが、下値も徐々に固くなってくる」との見方を示す。

「ドルは145-148円を中心としたコアレンジが続く」と、SBIリクイディティ・マーケットの金融市場調査部長、上田真理人氏は指摘する。米国の労働市場の緩みへの警戒感が強まる一方、内田真一副総裁の講演をきっかけに日銀の金融正常化への過度な警戒感が後退する中、日米金利差を踏まえると145円を割れてどんどん下方向に向く可能性は低いとの見方を示した。

ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円

午後3時現在 147.08/147.09 1.0990/1.0991 161.65/161.67

午前9時現在 146.94/146.95 1.0996/1.0997 161.57/161.59

NY午後5時 146.82/146.85 1.0992/1.0994 161.40/161.45

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米上院通過の税制・歳出法案、戦略石油備蓄の補充予算

ビジネス

物言う株主、世界的な不確実性に直面し上半期の要求件

ワールド

情報BOX:日米関税交渉の経緯、協議重ねても合意見

ワールド

豪小売売上高、5月は前月比0.2%増 予想下回る
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 2
    ワニに襲われ女性が死亡...カヌー転覆後に水中へ引きずり込まれる
  • 3
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。2位は「身を乗り出す」。では、1位は?
  • 4
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 5
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 6
    世紀の派手婚も、ベゾスにとっては普通の家庭がスニ…
  • 7
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    あり?なし? 夫の目の前で共演者と...スカーレット…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 1
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 5
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 6
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 7
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 8
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 9
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 10
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中