SBI、手数料無料化も純利益2.4倍 「公的資金完済で飛躍」と北尾社長
SBIホールディングスが10日に発表した2024年3月期の連結純利益(国際会計基準)は前期比2.4倍の872億円だった。写真は北尾吉孝会長兼社長。都内で2020年7月撮影(2024年 ロイター/Junko Fujita)
Miho Uranaka
[東京 10日 ロイター] - SBIホールディングスが10日に発表した2024年3月期の連結純利益(国際会計基準)は前期比2.4倍の872億円だった。傘下のSBI証券が昨年9月にオンラインによる国内株式の売買手数料を無料化したものの、信用取引の増加で金融収益が拡大するなどした。
北尾吉孝会長兼社長は会見で、懸案事項だった手数料無料化の影響は想定通りだとし、「今後の最大の関心事」は半導体と銀行事業と説明。国内金利の上昇を見据えて銀行事業へ経営資源を振り向ける方針を示した。
買収した新生銀行(現SBI新生銀行)の公的資金約3300億円の完済に向け、25年3月末までに返済の具体的仕組みを提案、同年6月末までに合意したい考え。北尾社長は「完済するのを契機にして、さらに一層の飛躍的成長につなげていく」と述べた。
前期は株式の売買手数料無料化により証券事業で158億円の利益を逸したと試算。一方で口座数が増えるとともに、特に日経平均株価が最高値を更新した1─3月期に信用取引残高が急拡大した。北尾社長は「顧客が増え、生態系に波及効果をもたらし全体として大きなプラスを生み出した」と話した。
1─3月期の新規口座開設件数は、四半期で過去最高となった。現在は1300万口座を超えたという。同期間の新NISA(少額投資非課税制度)口座の新規開設件数は前年同期比2.6倍に伸長した。
SBI証券では預かり資産が1億円を超える大口顧客が前期に9割増加。株式取引でも大口の取引が大きく増加したことから、富裕層などに営業から運営・管理まで一貫して手掛けるウェルスマネジメントビジネス部を開設することを決めた。
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