ニュース速報
ビジネス

英中銀に経済予測の抜本的改革を提言、バーナンキ元FRB議長

2024年04月15日(月)14時18分

米連邦準備理事会(FRB、写真)のバーナンキ元議長は12日、英イングランド銀行(BOE、中央銀行)への提言書を公表し、対話手法を全面的に見直すとともに、経済予測については「決定的に時代遅れ」になっている技術を改めるべきだとの考えを示した。2022年10月、ワシントンで撮影(2024年 ロイター/Ken Cedeno)

David Milliken

[ロンドン 12日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ元議長は12日、英イングランド銀行(BOE、中央銀行)への提言書を公表し、対話手法を全面的に見直すとともに、経済予測については「決定的に時代遅れ」になっている技術を改めるべきだとの考えを示した。

英国は2022年にインフレ率が41年ぶりの水準まで上昇し、BOEは利上げが後手に回ったとの批判を浴びた。このため昨年、バーナンキ氏にBOEの経済予測方法などを改善するための提言が委託されていた。

提言書は、BOEがより多くの経済シナリオを公表し、金利については市場予想への依存を減らすといった改善案を示した。ただ金利見通しについては、FRBの「ドットチャート」のような独自予測の発表を推奨せず、こうした大胆な選択肢についてはさらなる検討が必要だとした。

バーナンキ氏は「BOEの予測精度はこの数年で著しく悪化したが、他の中銀や英国の他の予測機関でも予測の確度は英中銀と同程度に悪化している」と結論。予想を外したのは「極めてまれな状況」によるものであり、「恐らく避けられなかっただろう」とした。

最大の問題は中銀の予測システムに「重大な欠陥」があり、職員が代替的な経済シナリオを作ることが難しかったためだと分析した。

その上で、BOEは「四半期インフレ報告」で長年採用してきた確率分布図(ファンチャート)を廃止し、代わりにリスクをより明確に評価し、経済が予想通りに動かなかった場合に、どのような金利変更の可能性があるか、その変更がどのような影響を与えるかを示す代替的なシナリオを公表すべきだとした。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米耐久財受注、10月は2.2%減に反転 コア資本財

ワールド

米当局、中国DJIなど外国製ドローンの新規承認禁止

ビジネス

米GDP、第3四半期速報値は4.3%増 予想上回る

ワールド

ベトナム次期指導部候補を選定、ラム書記長留任へ 1
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者・野村泰紀に聞いた「ファンダメンタルなもの」への情熱
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 5
    砂浜に被害者の持ち物が...ユダヤ教の祝祭を血で染め…
  • 6
    なぜ人は「過去の失敗」ばかり覚えているのか?――老…
  • 7
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これま…
  • 8
    楽しい自撮り動画から一転...女性が「凶暴な大型動物…
  • 9
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 10
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 9
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 10
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中