ニュース速報
ビジネス

中国、住宅ローン基準金利0.25%引き下げ 予想上回る下げ幅

2024年02月20日(火)11時41分

中国人民銀行(中央銀行)は20日、銀行貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)の5年物を25ベーシスポイント(bp)引き下げた。信用需要を刺激し、不動産市場を活性化させる取り組みを強めた。写真は香港の 尖沙咀を訪れた中国本土の観光客。2023年5月撮影(2024年 ロイター/Tyrone Siu)

[上海/シンガポール 20日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は20日、銀行貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)の5年物を25ベーシスポイント(bp)引き下げた。信用需要を刺激し、不動産市場を活性化させる取り組みを強めた。

5年物LPRを4.20%から3.95%に引き下げた一方、1年物は3.45%に据え置いた。

ロイターが市場関係者27人に今週実施した調査では、25人が5年物LPRの引き下げを予想。引き下げ幅の予想は5─15bpだった。

今回のLPR引き下げ幅は2019年に貸出金利のメカニズム見直しが行われて以降で最大となる。

OCBC(シンガポール)の為替ストラテジスト、クリストファー・ウォン氏は「大幅な引き下げで、政策当局者が景気刺激策に本腰を入れていることを示す」と指摘。「豪ドルを含むリスク通貨をある程度支援する見込みだが、勢いを維持するのに十分かどうかはまだ分からない」と話した。

人民元は昨年11月20日以来の安値に下落。中国不動産株は上昇した。

中国の新規・既存融資は主に1年物LPRに基づいており、5年物LPRは住宅ローン金利に影響する。

5年物LPRの引き下げは23年6月以来。引き下げ幅は10bpだった。

人民銀系の金融時報は18日、LPR引き下げの可能性を指摘し、5年物が引き下げられる可能性が高いと報じていた。

同紙は対話アプリ「微信(ウィーチャット)」の公式アカウントで「5年物LPRの引き下げは、信頼感の安定や投資・消費の促進、不動産市場の安定的で健全な発展支援に寄与する」とした。

新たな5年物LPRは直ちに発効するが、住宅ローン金利の見直しは年単位で行われることから、既存の住宅ローン利用者は来年まで引き下げの恩恵が受けられない。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:中国の再利用型無人宇宙船、軍事転用に警戒

ワールド

アングル:トランプ氏なら強制送還急拡大か、AI技術

ビジネス

アングル:ノンアル市場で「金メダル」、コロナビール

ビジネス

為替に関する既存のコミットメントを再確認=G20で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ暗殺未遂
特集:トランプ暗殺未遂
2024年7月30日号(7/23発売)

前アメリカ大統領をかすめた銃弾が11月の大統領選挙と次の世界秩序に与えた衝撃

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「習慣化の鬼」の朝日新聞記者が独学を続けられる理由【勉強法】
  • 2
    中国の「オーバーツーリズム」は桁違い...「万里の長城が壊れる!」観光客が押し寄せた動画が話題に
  • 3
    トランプ前大統領、選挙演説での「異様な容貌」に支持者の怒りが殺到...「メイク担当者をクビにしろ!」
  • 4
    BTS・BLACKPINK不在でK-POPは冬の時代へ? アルバム…
  • 5
    カマラ・ハリスがトランプにとって手ごわい敵である5…
  • 6
    キャサリン妃の「目が泳ぐ」...ジル・バイデン大統領…
  • 7
    正式指名されたトランプでも...カメラが捉えた妻メラ…
  • 8
    トランプが、娘から露骨に顔を背けて「完全無視」...…
  • 9
    「轟く爆音」と立ち上る黒煙...ロシア大規模製油所に…
  • 10
    米メディアのインタビュー中、プーチン大統領の「足…
  • 1
    正式指名されたトランプでも...カメラが捉えた妻メラニアにキス「避けられる」瞬間 直前には手を取り合う姿も
  • 2
    すぐ消えると思ってた...「遊び」で子供にタトゥーを入れてしまった母親の後悔 「息子は毎晩お風呂で...」
  • 3
    月に置き去りにされた数千匹の最強生物「クマムシ」、今も生きている可能性
  • 4
    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…
  • 5
    「習慣化の鬼」の朝日新聞記者が独学を続けられる理…
  • 6
    【夏休み】お金を使わないのに、時間をつぶせる! 子…
  • 7
    「失った戦車は3000台超」ロシアの戦車枯渇、旧ソ連…
  • 8
    「宇宙で最もひどい場所」はここ
  • 9
    BTS・BLACKPINK不在でK-POPは冬の時代へ? アルバム…
  • 10
    カマラ・ハリスがトランプにとって手ごわい敵である5…
  • 1
    中国を捨てる富裕層が世界一で過去最多、3位はインド、意外な2位は?
  • 2
    ウクライナ南部ヘルソン、「ロシア軍陣地」を襲った猛烈な「森林火災」の炎...逃げ惑う兵士たちの映像
  • 3
    ウクライナ水上ドローン、ロシア国内の「黒海艦隊」基地に突撃...猛烈な「迎撃」受ける緊迫「海戦」映像
  • 4
    ブータン国王一家のモンゴル休暇が「私服姿で珍しい…
  • 5
    正式指名されたトランプでも...カメラが捉えた妻メラ…
  • 6
    韓国が「佐渡の金山」の世界遺産登録に騒がない訳
  • 7
    すぐ消えると思ってた...「遊び」で子供にタトゥーを…
  • 8
    月に置き去りにされた数千匹の最強生物「クマムシ」…
  • 9
    メーガン妃が「王妃」として描かれる...波紋を呼ぶ「…
  • 10
    「どちらが王妃?」...カミラ王妃の妹が「そっくり過…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中