ニュース速報

ビジネス

物価目標実現が視界に、来年1―3月に「解像度上がる」=田村日銀委員

2023年08月30日(水)11時22分

 8月30日、日銀の田村直樹審議委員は30日、10年にわたる大規模な金融緩和によって、2%物価目標の実現が「はっきりと視界に捉えられる状況になった」と明言した。写真は日銀と日本の国旗。都内で2016年9月撮影(2023年 ロイター/Toru Hanai)

[30日 ロイター] - 日銀の田村直樹審議委員は30日、10年にわたる大規模な金融緩和によって、2%物価目標の実現が「はっきりと視界に捉えられる状況になった」と明言した。現在はまだ賃金や物価の動向を謙虚に見つめていくべき局面にあり、金融緩和の継続が適当だが、来年1―3月ごろには賃上げのすう勢や今年後半の物価動向などのデータから物価目標実現への「解像度が一段と上がる」と期待感を示した。

北海道釧路市で開いた金融経済懇談会であいさつした。田村委員は景気や物価の先行きについて、上下双方の不確実性があるとしながらも、強気な見方を示した。

物価については「想定以上に上振れる可能性も否定できない」とし、企業の価格転嫁の動きが今なお続いていることやサービス価格の上昇ペース加速を理由に挙げた。労働需給の引き締まりなどで持続的な賃上げが期待できるともしている。

景気については、GX(グリーン・トランスフォーメーション)関連やサプライチェーンの強靱化に向けた投資の増加、生産性向上を受けた賃金と物価の好循環の強まりなどによって「先行きの成長率は上振れする可能性が相応にある」と指摘した。

(和田崇彦)

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

スペインの極右政党ボックス、欧州議会選へ向け大規模

ワールド

イランのライシ大統領と外相が死亡と当局者、ヘリ墜落

ビジネス

欧州当局、モデルナのコロナワクチン特許有効と判断 

ワールド

頼清徳氏、台湾新総統に就任 中国メディアは「挑発的
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の「ロイヤル大変貌」が話題に

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイジェリアの少年」...経験した偏見と苦難、そして現在の夢

  • 4

    米誌映画担当、今年一番気に入った映画のシーンは『…

  • 5

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 6

    「裸に安全ピンだけ」の衝撃...マイリー・サイラスの…

  • 7

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 8

    「すごく恥ずかしい...」オリヴィア・ロドリゴ、ライ…

  • 9

    中国の文化人・エリート層が「自由と文化」を求め日…

  • 10

    日本とはどこが違う? 韓国ドラマのオリジナルサウン…

  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 3

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 6

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 9

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 10

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中