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JSR株がストップ高買い気配、JICが1兆円で買収との報道でTOB思惑
[東京 26日 ロイター] - 東京株式市場で、半導体素材フォトレジスト(感光材)で世界シェア首位のJSR株がストップ高水準で買い気配となっている。同社は24日、官民ファンドの産業革新投資機構(JIC)による1兆円規模の買収報道について「検討していることは事実」とコメントを発表し、株式公開買い付け(TOB)への思惑が先行している。
株式時価総額1兆円に相当する株価は4800円程度と試算され、23日終値の3234円を50%上回る水準だとして、TOB価格がこの水準に決まるなら「妥当なプレミアム水準」(国内証券アナリスト)との見方がある。有利子負債を差し引いた企業価値を基準にすれば4400円程度との試算もある。
市場では「レジスト自体、市場が伸びていくため、政府が関連してきちんと投資できれば大きなメリットがある」(英調査会社オムディアの杉山和弘氏)との見方が聞かれる。
JSRは24日、買収報道に関連し「26日に開催の取締役会に付議する予定」とのコメントを発表した。今後開示すべき事項が生じた場合には速やかに公表する。日本経済新聞は同日、JICがJSRを約1兆円で買収すると報じた。
日経によると、JICはJSR買収のための新会社へ5000億円程度を出資し、みずほ銀行が4000億円強を融資する。優先株や劣後ローンの計1000億円を複数の銀行が引き受けるという。JICは早ければ年内にJSRへのTOBを実施。JSRは2024年中に上場廃止となる見込みとしている。