ニュース速報

ビジネス

英GDP確報値、第4四半期は前期比+0.1% 景気後退回避

2023年03月31日(金)17時34分

 3月31日、英国立統計局(ONS)が発表した2022年第4・四半期の国内総生産(GDP)確報値は前期比0.1%増だった。写真は9日、ロンドンで撮影(2023年 ロイター/Hannah McKay)

[ロンドン 31日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が31日発表した2022年第4・四半期の国内総生産(GDP)確報値は前期比0.1%増だった。旅行業が好調だったほか政府による光熱費負担軽減策が寄与し、景気後退を辛うじて回避した。

前回発表値は前期比0.0%、第3・四半期は0.1%減だった。

ONSの統計担当者ダレン・モーガン氏は「昨年後半は経済が予想よりもやや堅調だった。第4・四半期は電気通信、建設、製造業が従来の見通しよりも好調だった」と分析した。

セクター別ではサービス部門が0.1%増、旅行業は約11%増となった。

製造業は医薬品の伸びを背景に0.5%拡大した。建設業は1.3%増だった。

貯蓄率は9.3%と新型コロナウイルス流行直前の5.6%から上昇した。政府のエネルギー料金支援により貯蓄が膨らんだ。

家計の可処分所得は1.3%増と5四半期ぶりにプラスに転じた。

企業投資は0.2%減と前回発表値の4.8%増から大幅に下方修正された。ONSは季節調整の方法を変更したことが要因と説明した。

第4・四半期のGDPは19年終盤の水準を0.6%下回った。主要7カ国(G7)で英国だけが新型コロナ前の水準を回復していない。

キャピタル・エコノミクスのルース・グレゴリー氏は、第3・四半期と第4・四半期のGDPが上方改定されたことについて、高インフレの景気への影響が当初の予想をやや下回ったことを示していると指摘。

「ただ金利上昇が実体経済に及ぼす影響の約3分の2はまだ感じられておらず、英国が今年景気後退に陥るとの見方に変更はない」と述べた。

同時に発表となった第4・四半期の英経常収支は25億ポンド(31億ドル)の赤字。赤字幅はGDP比で0.4%。

貴金属の変動を除くベースでは211億ポンドの赤字。GDP比では3.3%の赤字で、第3・四半期の4.2%の赤字から縮小した。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、米中貿易巡る懸念が緩和

ビジネス

米国株式市場=大幅反発、米中貿易戦争巡る懸念和らぐ

ビジネス

米国株式市場=大幅反発、米中貿易戦争巡る懸念和らぐ

ビジネス

米労働市場にリスク、一段の利下げ正当化=フィラデル
MAGAZINE
特集:中国EVと未来戦争
特集:中国EVと未来戦争
2025年10月14日号(10/ 7発売)

バッテリーやセンサーなど電気自動車の技術で今や世界をリードする中国が、戦争でもアメリカに勝つ日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 2
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由とは?
  • 3
    車道を一人「さまよう男児」、発見した運転手の「勇敢な行動」の一部始終...「ヒーロー」とネット称賛
  • 4
    メーガン妃の動画が「無神経」すぎる...ダイアナ妃を…
  • 5
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 6
    筋肉が目覚める「6つの動作」とは?...スピードを制…
  • 7
    連立離脱の公明党が高市自民党に感じた「かつてない…
  • 8
    1歳の息子の様子が「何かおかしい...」 母親が動画を…
  • 9
    ウィリアムとキャサリン、結婚前の「最高すぎる関係…
  • 10
    あなたの言葉遣い、「AI語」になっていませんか?...…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 3
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル賞の部門はどれ?
  • 4
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    ロシア「影の船団」が動く──拿捕されたタンカーが示…
  • 7
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 8
    ウクライナの英雄、ロシアの難敵──アゾフ旅団はなぜ…
  • 9
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 10
    トイレ練習中の2歳の娘が「被疑者」に...検察官の女…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
  • 10
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中