ニュース速報

ビジネス

NY市場サマリー(20日)ドル下落、株反発 国債利回り上昇

2023年03月21日(火)06時47分

[20日 ロイター] -

<為替> ドルが下落した。投資家はスイスの金融大手UBSが、経営不安が強まっていた同業クレディ・スイスを30億スイスフラン(約32億3000万ドル)で買収すると発表したことに反応した。UBSは最大54億ドルの損失を引き継ぐ。

ドル指数は0.501%安の103.270だった。

マネーコープのマネージングディレクター、トーマス・アンダーソン氏は「投資家が質への逃避をする必要がないと感じるときは常にドル安となる」と指摘した。

また、米の地域銀行に対する懸念もドルの重しとなっている。米中堅銀行ファースト・リパブリック・バンクの株価はこの日、50%急落した。

CIBCキャピタル・マーケッツ(トロント)の北米FX戦略担当者、ビパン・ライ氏は「米地域銀行にはリスクがあり、少なくともある程度の不確実性がある」と述べた。

ユーロ/ドルは0.54%上昇し1.0724ドル、英ポンド/ドルは0.87%上昇し1.2281ドルだった。

安全資産とされる円は0.28%高の1ドル=131.47円。

豪ドルは0.33%高の1豪ドル=0.672米ドル、カナダドルは0.52%高の1米ドル=1.37カナダドルだった。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは4.62%上昇し2万8065.00ドル。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 利回りが上昇した。スイスの金融大手UBSによるクレディ・スイス買収や中銀の流動性供給策を受け投資家の懸念が和らいだ。

2年債利回りは欧州時間に3.635%まで低下したが、米国時間には7.8ベーシスポイント(bp)上昇し3.924%を付けた。

BTIGのグローバル金利トレーディング共同責任者、トム・ディ・ガロマ氏は「どの中銀も利下げしていないが、同時に米投資家の間では米連邦準備理事会(FRB)が今週おそらく利上げを見送るとの見解が強まっている」と述べた。

CMEのフェドウォッチによると、フェデラル・ファンド(FF)金利先物が織り込む、今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での金利据え置き確率は28.4%、0.25%ポイントの利上げ確率は71.6%となっている。

また市場はFRBが今夏に利下げに踏み切り、12月には3.967%になるとの見方を織り込んでいる。2週間前の同水準は約5.6%だった。

指標10年債利回りは8.4ベーシスポイント(bp)上昇の3.481%。

2・10年債の利回り格差はマイナス45.1bp。

物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は10年物が2.094%だった。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 反発。スイス金融大手UBSによるクレディ・スイス買収や主要6中銀による流動性供給策を受け、金融システムを巡る懸念が後退した。投資家の注目は、週内の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向かっている。

UBSは19日、経営不安が強まっていた同業クレディ・スイスを30億スイスフラン(約32億3000万ドル)で買収すると発表。金融不安の拡大を恐れたスイス当局が主導して合意を取りまとめた。

さらに、日米欧などの主要6中銀はドルスワップ協定を通じた流動性供給で協調すると発表した。

S&P銀行株は0.6%、KBW地方銀行株は1.5%それぞれ上昇した。

LPLフィナンシャルのチーフグローバルストラテジスト、クインシー・クロスビー氏は、銀行株の一角はこの日も値下がりしたものの、広範な下落は食い止められたもようと指摘した。

S&P主要11セクターは全て値上がり。投資家の不安心理の度合いを示すVIX指数も低下した。

クレディ・スイスの米上場株は53%安、UBSグループは3.3%上昇した。

中堅銀行ファースト・リパブリック・バンクは47.1%安。格付け会社S&Pグローバルは同社の格付けを「BBプラス」から3段階引き下げて「Bプラス」にしたと発表。さらに格下げする可能性があるとした。

一方、ニューヨーク・コミュニティ・バンコープは31.7%高。傘下銀行が破綻したシグネチャー・バンクから預金や融資などの資産取得で合意した。

前出のクロスビー氏はこうしたニュースが「銀行システに対する信頼感下支えへの一助となる」とし、「パニックや恐怖を阻止するのに役立つ」と述べた。

パックウェスト・バンコープも10.8%高で終了。預金の流出が安定化したと発表したことが材料視された。

注目される21━22日のFOMCでの決定については、CMEのフェドウォッチによると、短期金融市場が織り込む金利据え置きの確率は28.4%、0.25%ポイント利上げの確率は71.6%となっている。

また、アマゾン・ドット・コムは1.3%安。同社は新たに9000人を削減すると発表。クラウドサービス、広告、Twitch部門などの従業員が対象になるという。

米取引所の合算出来高は124億8000万株。直近20営業日の平均は126億株。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.69対1の比率で上回った。ナスダックでも1.05対1で値上がり銘柄数が多かった。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> 安全資産としての需要から追随買いが入り、続伸した。中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前週末比9.30ドル(0.47%)高の1オンス=1982.80 ドル。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> 金融不安への根強い警戒感に加え、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策会合を控えた思惑から不安定な値動きとなったものの、終盤にかけて買いが優勢となり反発した。米国産標準油種WTIの中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前週末比0. 90ドル(1.35%)高の1バレル=67.64ドル。5月物は0.89ドル高の67. 82ドルだった。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 131.31/131.33

始値 131.28

高値 131.84

安値 130.91

ユーロ/ドル NY終値 1.0719/1.0723

始値 1.0694

高値 1.073

安値 1.0689

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 99*07.00 3.6681%

前営業日終値 100*14.00 3.6010%

10年債(指標銘柄) 17時05分 100*04.50 3.4828%

前営業日終値 100*27.50 3.3970%

5年債(指標銘柄) 17時05分 101*27.75 3.5840%

前営業日終値 102*13.00 3.4660%

2年債(指標銘柄) 17時05分 101*07.00 3.9658%

前営業日終値 101*14.25 3.8460%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 32244.58 +382.60 +1.20

前営業日終値 31861.98

ナスダック総合 11675.54 +45.03 +0.39

前営業日終値 11630.51

S&P総合500種 3951.57 +34.93 +0.89

前営業日終値 3916.64

COMEX金 4月限 1982.8 +9.3

前営業日終値 1973.5

COMEX銀 5月限 2264.6 +18.4

前営業日終値 2246.2

北海ブレント 5月限 73.79 +0.82

前営業日終値 72.97

米WTI先物 4月限 67.64 +0.90

前営業日終値 66.74

CRB商品指数 255.1724 +0.5162

前営業日終値 254.6562

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

仏ロレアル、第1四半期売上高は9.4%増 予想上回

ワールド

独財務相、ブラジルのG20超富裕層課税案に反対の意

ビジネス

日経平均は反落で寄り付く、米金利上昇で 半導体関連

ビジネス

FRB当局者、利下げ急がない方向で一致 インフレ鈍
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 3

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 4

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 5

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 6

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 9

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 10

    ヨルダン王女、イランの無人機5機を撃墜して人類への…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中