ニュース速報

ビジネス

トヨタ、液体水素エンジン車で参戦へ 5月の富士24時間レース

2023年03月18日(土)17時25分

トヨタ自動車の佐藤恒治次期社長は18日、液体水素を燃料としたエンジン車で5月下旬開催の富士24時間レースに参戦する方針を明らかにした。本来はこの日の鈴鹿スーパー耐久レースで走る予定だったが、事前のテスト走行中に車両火災が発生し、復旧が間に合わず欠場した。写真は2021年11月に岡山県内のサーキットを走ったトヨタの水素エンジン車。このときは気体水素を使った(2023年 ロイター/Tim Kelly)

[18日 ロイター] - トヨタ自動車の佐藤恒治次期社長は18日、液体水素を燃料としたエンジン車で5月下旬開催の富士24時間レースに参戦する方針を明らかにした。本来はこの日の鈴鹿スーパー耐久レースで走る予定だったが、事前のテスト走行中に車両火災が発生し、復旧が間に合わず欠場した。

液体水素によるエンジン車の本格的なレース参戦は世界初。佐藤氏は「この挑戦を揺らぐことなくしっかりと前に進め、次戦の富士24時間レースで再び挑戦できるよう準備を進める」と語った。

世界的に脱炭素の流れが強まる中、電気自動車を含め多様な選択肢を用意する方針を掲げるトヨタは2021年、水素エンジンの技術開発方針を発表した。レースで試しながら開発を進め、内燃機関を残そうとしている。当初は気体水素で、昨年3月に航続距離がより長い液体水素を燃料に使う車両開発を始めたことを公表した。

水素エンジン車の実用化の時期や販売目標は非公表だが、佐藤氏は「21年までは選択肢のメニューにすら載っていなかったが、今では『何年に何台売る気なのか』という質問を頂けるレベルの速さで(開発が)進んでいる」と説明。「具体的な事業目標より、今の段階は確実に選択肢にする、インフラも含めた総合的な取り組みを多くのパートナーと進める。足元のそういう努力にまず注力すべき」と述べた。

トヨタによると、8日に起きた火災の原因は車両の振動で配管の結合部が緩み、水素が漏れ引火。液体水素そのものが直接の原因ではなく、気体水素でも起こり得るという。ドライバーにけがはなく、安全機能が作動し、大きな延焼もなかった。ただ、車両の復旧が間に合わないとして鈴鹿でのレース出場は断念した。

トヨタでモータースポーツ活動を統括する高橋智也・GRカンパニープレジデントは15日の火災に関する説明会で、設計しておいた安全機能が正しく作動したことが実証できたとして「非常に前向きにとらえている」と説明。豊田章男社長からも「絶対に水素エンジン車の開発は止めない」と告げられたという。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ米大統領、代替関税率を10%から15%に引

ビジネス

エヌビディアやソフト大手の決算、AI相場の次の試金

ワールド

焦点:「氷雪経済」の成功例追え、中国がサービス投資

ワールド

焦点:米中間選挙へ、民主党がキリスト教保守層にもア
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体には濾過・吸収する力が備わっている
  • 2
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 3
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官が掲げる「新しいスパイの戦い方」
  • 4
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 5
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 6
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 7
    ロシアに蔓延する「戦争疲れ」がプーチンの立場を揺…
  • 8
    「窓の外を見てください」パイロットも思わず呼びか…
  • 9
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 10
    揺れるシベリア...戦費の穴埋めは国民に? ロシア中…
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 3
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワートレーニング」が失速する理由
  • 4
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 5
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 6
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
  • 7
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 8
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 9
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 10
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中