ニュース速報

ビジネス

クレディ・スイス、08年以来の大幅赤字で顧客流出 今年も損失予想

2023年02月09日(木)18時09分

 2月9日 スイスの金融大手クレディ・スイス・グループは9日、2022年の赤字が08年の金融危機以来の高水準になったと発表した。写真はクレディ・スイスのロゴ。2022年11月、スイス・ベルンで撮影(2023年 ロイター/Arnd Wiegmann)

[チューリッヒ 9日 ロイター] - スイスの金融大手クレディ・スイス・グループは9日、2022年の赤字が08年の金融危機以来の高水準になったと発表した。不祥事や業績の低迷で顧客の流出が前例のない規模に膨らんだ。今年も「かなりの」損失が発生すると警告した。

クレディ・スイスの株価は序盤の取引で2.5%下落している。

第4・四半期は13億9000万スイスフラン(15億1000万ドル)の純損失となった。同行がまとめたアナリストの予想(13億4000万フランの赤字)とほぼ一致した。

前年同期は20億フランの赤字だった。22年通年では72億9000万フランの純損失で2年連続の赤字となった。

同グループの純資産は過去3カ月で1105億フランの純流出となった。ただ状況は改善していると指摘した。

中核のウェルス・マネジメント部門では927億フランの資金流出となり、アナリスト予想の619億フランを大きく上回った。この結果、同部門の運用資産残高は5405億フランとなった。

ウェルス・マネジメントと投資銀行部門は第1・四半期に損失を計上する可能性が高いとした。

キーフ・ブリュエット・アンド・ウッズのアナリスト、トーマス・ハレット氏は顧客向けリポートで、クレディ・スイスの業績は「懸念されていたよりもさらに悪く、資金流出も驚くべき水準だった」と指摘。「23年も大幅な損失が続き一段の格下げが予想されるため、同行の株式を保有する理由はないとみている」と述べた。

ボントベルのアナリスト、アンドレアス・ベンディッティ氏は「(昨年は)クレディ・スイスの167年の歴史の中で、明らかに最悪の年の一つ」とし、早期の回復は見込みづらいとの見方を示した。

12月末の中核的自己資本(CET1)比率は14.1%と9月末の12.6%から上昇した。アナリスト予想は13.8%だった。

クレディ・スイスはまた、元取締役のマイケル・クライン氏の顧問会社を1億7500万ドルで買収したと発表した。同行の投資銀行部門であるCSファースト・ボストンに統合される。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米欧ウクライナ、戦争終結に向けた対応協議 ゼレンス

ワールド

プーチン氏、ウクライナでの「勝利信じる」 新年演説

ビジネス

米新規失業保険申請件数、1.6万件減の19.9万件

ワールド

中国、来年は積極的なマクロ政策推進 習氏表明 25
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 5
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 6
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 7
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 8
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 9
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 10
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中