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NY市場サマリー(26日)株・ドル・利回り上昇、GDP堅調で

2023年01月27日(金)06時45分

[26日 ロイター] -

<為替> ニューヨーク外為市場ではドルが対ユーロで上昇した。米経済成長率が昨年第4・四半期も底堅かったことで、米連邦準備理事会(FRB)がタカ派的な姿勢を維持するとの見方が裏付けられた。

商務省が発表した2022年第4・四半期の実質国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比2.9%増。伸びは前四半期の3.2%から減速したものの、市場予想の2.6%は上回った。

このほか、労働省発表の21日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は6000件減の18万6000件。ハイテク業界以外の企業や住宅や金融など金利に敏感なセクターは、パンデミック(世界的大流行)時に労働力確保が困難だったことから労働者を維持している。

エクイティ・キャピタル(ロンドン)のマクロエコノミスト、スチュアート・コール氏は、この日の米経済指標はまちまちだったとし、FRBがこれまでに実施した急速な金融引き締めを受けても、経済が回復力を示し続けていることが示唆されたと指摘。ただ、第4・四半期のGDPに大きく貢献した在庫の影響は今後は弱まっていくとし、「FRBは直ちに利上げ幅を0.25%ポイントに縮小するとの見方が裏付けられた」と述べた。

終盤の取引でユーロは0.23%安の1.08895ドル。ただ、23日に付けた9カ月ぶり高値(1.09295ドル)からそれほど乖離していない。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 米金融・債券市場では、米債利回りが上昇した。米経済の底堅さを示す指標を受け、米連邦準備理事会(FRB)が今後数カ月間でタカ派姿勢を維持するとの見方が強まった。

米商務省が26日発表した2022年第4・四半期の実質国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比2.9%増と、伸びは市場予想の2.6%を上回った。堅調な個人消費を追い風に底堅い成長を維持した。

米労働省が26日に発表した21日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は6000件減の18万6000件となった。

指標10年債利回りは約3ベーシスポイント(bp)上昇の3.491%。2年債利回りは約4bp上昇の4.178%。

米債利回りは米指標の発表前からすでに上昇。欧州中央銀行(ECB)当局者のタカ派発言を背景にユーロ債利回りが上昇していたことを受けた。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 米国株式市場は上昇して取引を終えた。米連邦公開市場委員会(FOMC)を来週に控える中、一連の経済指標や強弱入り交じる企業決算を受けて値動きの荒い展開となった。

主要株価3指数がそろって上昇し、テスラの決算を好感した大型株への買いを追い風にナスダック総合が上げを主導した。

この日発表された米経済指標では、需要減速の兆しが出る中でも2022年第4・四半期の実質国内総生産(GDP)が予想を上回ったほか、労働市場の逼迫が続いていることも示された。

金融市場は来週のFOMCでの25ベーシスポイント(bp)利上げをほぼ織り込み済みだが、見解は一致していない。

JPモルガン・プライベート・バンクのマネジングディレクター、デービッド・カーター氏はこの日の経済指標について「米連邦準備理事会(FRB)が(利上げを)停止するのに十分なほど景気が減速していると考える夢想家から、まだ過熱状態と考える悲観論者まで、誰もに何かを与える内容だった」と指摘。「経済の事実が近く市場の重しとなる可能性がある。今年後半に何が起きるかが最大の不透明感だ」と語った。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、この日発表の米国内総生産(GDP)速報値が予想を上回ったことを受け売り圧力が強まり、6営業日ぶりに反落した。

米商務省が発表した2022年10─12月期の実質GDP(国内総生産)速報値は前期比2.9%増と、伸びは前期から鈍化したものの、2期連続のプラス成長となった。市場予想も上回った。さらに、米新規失業保険申請件数は前週比6000件減の18万6000件と、事前予想よりも良い内容となった。これを受けて、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが長期化するのではないかとの懸念が再燃し、金利を生まない金の売り圧力が強まった。また、約9カ月ぶりの高値圏で推移していたことから、利益確定の売りも出やすかった。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、世界的なエネルギー需要の回復期待を背景に買いが入り、続伸した。

米商務省が朝方に発表した2022年10─12月期の実質GDP(国内総生産)速報値は前期比2.9%増と、2四半期連続のプラス成長となり、市場予想も上回った。また、米週間新規失業保険申請は前週比6000件減の18万6000件と事前予想よりも良好な内容。これらの経済指標を受けて景気減速への懸念が後退し、買いが先行した。春節(旧正月)を迎えた中国では厳格な新型コロナウイルス防疫規制の解除が進んでおり、同国での経済活動の再開に伴いエネルギー需要が回復するとの期待も、引き続き相場を支えている。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY午後4時 130.23/130.26

始値 129.82

高値 130.61

安値 129.65

ユーロ/ドル NY午後4時 1.0890/1.0894

始値 1.0901

高値 1.0917

安値 1.0851

米東部時間

30年債(指標銘柄) 16時35分 106*19.00 3.6356%

前営業日終値 106*26.00 3.6240%

10年債(指標銘柄) 16時33分 105*04.50 3.5002%

前営業日終値 105*15.00 3.4620%

5年債(指標銘柄) 16時34分 99*18.25 3.5947%

前営業日終値 99*25.63 3.5440%

2年債(指標銘柄) 16時33分 99*28.38 4.1846%

前営業日終値 99*31.25 4.1370%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 33949.41 +205.57 +0.61

前営業日終値 33743.84

ナスダック総合 11512.41 +199.06 +1.76

前営業日終値 11313.36

S&P総合500種 4060.43 +44.21 +1.10

前営業日終値 4016.22

COMEX金 2月限 1930.0 ‐12.6

前営業日終値 1942.6

COMEX銀 3月限 2402.0 +7.9

前営業日終値 2394.1

北海ブレント 3月限 87.47 +1.35

前営業日終値 86.12

米WTI先物 3月限 81.01 +0.86

前営業日終値 80.15

CRB商品指数 279.5495 +2.0736

前営業日終値 277.4759

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