ニュース速報
ビジネス
中国でも気候変動リスク関連の規制強化必要=人民銀行副総裁

12月10日、中国人民銀行(中央銀行)の宣昌能副総裁は、気候変動と世界的な低炭素化の動きは国内の金融機関にとってさまざまなリスクをもたらすと指摘した上で、規制強化は必要になるとの見方を示した。写真は2013年11月、北京の同行前で撮影(2022年 ロイター/Jason Lee)
[香港 10日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)の宣昌能副総裁は10日、イベントにビデオを通じて参加し、気候変動と世界的な低炭素化の動きは国内の金融機関にとってさまざまなリスクをもたらすと指摘した上で、規制強化は必要になるとの見方を示した。
宣氏は「気候変動と低炭素社会への移行は富のパターンや資産運用業界に重大な影響を及ぼす」と指摘。中国の金融機関では二酸化炭素(CO2)排出量が多い産業向けの融資比率が相対的に高いと現状を分析した。こうした産業からの撤退の遅れなどは金融面のリスクを増大させるとした。
その上で「だからこそわれわれは金融規制を強化しストレステスト(健全性審査)などの措置を実行して、金融機関が二酸化酸素排出量のピークやその後の排出量実質ゼロ化の時期の目標に沿う形でグリーン金融の能力を持続的に向上させるよう指導していくべきだ」と訴えた。
世界最大の温室効果ガス排出国である中国は、2030年までに国内総生産(GDP)当たりの排出量(炭素強度)を05年から65%超減らすことを目指している。
宣氏はドイツ銀行傘下のDWSが見せかけだけの環境配慮をアピールする「グリーンウオッシュ」に関与したとして非難されている例を挙げて、中国でもこうした行動が疑われた金融機関は社会の評価を下げるリスクがあると警告した。