ニュース速報

ビジネス

中国でも気候変動リスク関連の規制強化必要=人民銀行副総裁

2022年12月12日(月)09時46分

 12月10日、中国人民銀行(中央銀行)の宣昌能副総裁は、気候変動と世界的な低炭素化の動きは国内の金融機関にとってさまざまなリスクをもたらすと指摘した上で、規制強化は必要になるとの見方を示した。写真は2013年11月、北京の同行前で撮影(2022年 ロイター/Jason Lee)

[香港 10日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)の宣昌能副総裁は10日、イベントにビデオを通じて参加し、気候変動と世界的な低炭素化の動きは国内の金融機関にとってさまざまなリスクをもたらすと指摘した上で、規制強化は必要になるとの見方を示した。

宣氏は「気候変動と低炭素社会への移行は富のパターンや資産運用業界に重大な影響を及ぼす」と指摘。中国の金融機関では二酸化炭素(CO2)排出量が多い産業向けの融資比率が相対的に高いと現状を分析した。こうした産業からの撤退の遅れなどは金融面のリスクを増大させるとした。

その上で「だからこそわれわれは金融規制を強化しストレステスト(健全性審査)などの措置を実行して、金融機関が二酸化酸素排出量のピークやその後の排出量実質ゼロ化の時期の目標に沿う形でグリーン金融の能力を持続的に向上させるよう指導していくべきだ」と訴えた。

世界最大の温室効果ガス排出国である中国は、2030年までに国内総生産(GDP)当たりの排出量(炭素強度)を05年から65%超減らすことを目指している。

宣氏はドイツ銀行傘下のDWSが見せかけだけの環境配慮をアピールする「グリーンウオッシュ」に関与したとして非難されている例を挙げて、中国でもこうした行動が疑われた金融機関は社会の評価を下げるリスクがあると警告した。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

大企業の業況感は小動き、米関税の影響限定的=6月日

ビジネス

マスク氏のxAI、債務と株式で50億ドルずつ調達=

ワールド

米政府、資源開発資金の申請簡素化 判断迅速化へ

ワールド

訂正-セビリアで国連会議開幕、開発推進を表明 トラ
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 2
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とんでもないモノ」に仰天
  • 3
    ワニに襲われ女性が死亡...カヌー転覆後に水中へ引きずり込まれる
  • 4
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 5
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 6
    「パイロットとCAが...」暴露動画が示した「機内での…
  • 7
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 8
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 9
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 10
    顧客の経営課題に寄り添う──「経営のプロ」の視点を…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 5
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 6
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 7
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 8
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 9
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 10
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中