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分断化対策、インフレ抑制を妨げてはならない=ECB副総裁
6月22日、欧州中央銀行(ECB)のデギンドス副総裁は、国債利回りの格差拡大によるユーロ圏市場の分断を防ぐ措置が、インフレ抑制というECBの目標を妨げることがあってはならないと述べた。フランクフルトのECB本部で2020年1月撮影(2022年 ロイター/Ralph Orlowski)
[マドリード 22日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のデギンドス副総裁は22日、国債利回りの格差拡大によるユーロ圏市場の分断を防ぐ措置が、インフレ抑制というECBの目標を妨げることがあってはならないと述べた。
副総裁はスペインで開かれた金融関連のイベントで「分断化対策が、金融政策全体のアプローチを妨げることがあってはならない。全体ではインフレ抑制を重視すべきだ」と発言。
分断はECBの重要な懸念事項の一つであり、まだ理事会内で詳細を議論していないものの、ECBはこれに対処する決意だと述べた。
具体的な分断化対策を実施することにより、インフレ率を中期的に目標の2%へ引き下げる上で、金融政策がより強力に作用するとの見方を示した。
スペインのカルビニョ経済相は同じイベントで発言し、先週行われたユーロ圏財務相会合(ユーログループ)では、分断化対策の条件については話し合わなかったと明らかにした。
デギンドス氏は、ECBが導入する措置はパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)や資産購入プログラム(APP)、債券買い入れ制度(OMT)など、これまでに打ち出したものとは違ったものになると述べた。
「現在の状況は大きく異なっており、リスクプレミアムは全く比較にならない」と指摘した。
ECBが分断化対策を打ち出すと発表したことにより、10年物スペイン国債と独連邦債の利回り差は140ベーシスポイント(bp)付近から110bp程度に縮小した。ソブリン債危機が高まった2012年7月はスペイン国債のリスクプレミアムは600bpを超えていた。