ニュース速報

ビジネス

中国の工業部門利益、4月は大幅減に転じる 原料高騰・コロナ規制で

2022年05月27日(金)12時49分

中国国家統計局が27日発表した工業部門企業の4月の利益は前年比8.5%減少し、2020年3月以来2年ぶりの大幅減となった。写真は北京で昨年10月撮影(2022年 ロイター/THOMAS PETER)

[北京 27日 ロイター] - 中国国家統計局が27日発表した工業部門企業の4月の利益は前年比8.5%減少し、2020年3月以来2年ぶりの大幅減となった。原材料価格の高騰と新型コロナウイルス規制に伴うサプライチェーンの混乱で企業利益が圧迫され、生産活動も阻害された。

統計局のデータに基づきロイターが算出した3月の工業部門利益は前年比12.2%増加していたが、4月は一気に減少に転じた。

統計局の幹部は「4月は、一部の地域で新型コロナが頻繁に流行し、工業部門の生産・営業に大きなショックを与え、利益が減少した」と指摘。

コモディティー価格の上昇は、一部の上流部門の利益を押し上げた。鉱業部門は142%の増益だった。ただ、製造部門は22.4%の減益となった。

新型コロナが流行した東部と北東部は、1─4月にそれぞれ16.7%、8.1%の減益。4月は自動車部門が製造業部門の利益を6.7%ポイント押し下げた。

統計局の幹部は「現在、長江デルタのウイルスの封じ込めは改善しており、着実に事業が再開しつつある」とし、新型コロナの工業部門への影響が段階的に緩和するとの見通しを示した。

商業拠点である上海市が先に発表した4月の工業生産は前年同月比61.5%のマイナスで、少なくとも2011年以降で最大の低下となった。マイナス幅は3月の7.5%から急拡大した。

統計局によると、1─4月の工業部門利益の前年比伸び率は3.5%で、1─3月の8.5%から鈍化した。

工業部門企業の4月末時点の負債は前年比10.4%増。3月末時点は10.5%増だった。

工業部門企業利益統計は、主要事業の年間売上高が2000万元を超える大企業が対象。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

韓国と中国、外交・安保対話開始へ 3カ国首脳会合前

ワールド

岸田首相、日本産食品の輸入規制撤廃求める 日中首脳

ワールド

台湾の頼総統、中国軍事演習終了後にあらためて相互理

ビジネス

ロシア事業手掛ける欧州の銀行は多くのリスクに直面=
MAGAZINE
特集:スマホ・アプリ健康術
特集:スマホ・アプリ健康術
2024年5月28日号(5/21発売)

健康長寿のカギはスマホとスマートウォッチにあり。アプリで食事・運動・体調を管理する方法

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発」で吹き飛ばされる...ウクライナが動画を公開

  • 2

    「なぜ彼と結婚したか分かるでしょ?」...メーガン妃がのろけた「結婚の決め手」とは

  • 3

    自爆ドローンが、ロシア兵に「突撃」する瞬間映像をウクライナが公開...シャベルで応戦するも避けきれず

  • 4

    カミラ王妃が「メーガン妃の結婚」について語ったこ…

  • 5

    黒海沿岸、ロシアの大規模製油所から「火柱と黒煙」.…

  • 6

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 7

    胸も脚も、こんなに出して大丈夫? サウジアラビアの…

  • 8

    アウディーイウカ近郊の「地雷原」に突っ込んだロシ…

  • 9

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 10

    エリザベス女王が「誰にも言えなかった」...メーガン…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気を失った...家族が語ったハマスによる「拉致」被害

  • 3

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発」で吹き飛ばされる...ウクライナが動画を公開

  • 4

    ウクライナ悲願のF16がロシアの最新鋭機Su57と対決す…

  • 5

    黒海沿岸、ロシアの大規模製油所から「火柱と黒煙」.…

  • 6

    戦うウクライナという盾がなくなれば第三次大戦は目…

  • 7

    能登群発地震、発生トリガーは大雪? 米MITが解析結…

  • 8

    「なぜ彼と結婚したか分かるでしょ?」...メーガン妃…

  • 9

    「天国にいちばん近い島」の暗黒史──なぜニューカレ…

  • 10

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中