ニュース速報

ビジネス

シンガポール、第1四半期GDPは上方改定 22年は予想範囲の下半分

2022年05月25日(水)13時39分

[シンガポール 25日 ロイター] - シンガポール貿易産業省が25日発表した第1・四半期の国内総生産(GDP)改定値は前年同期比3.7%増と、速報値の3.4%増から上方改定された。

ロイター調査のアナリスト予想と一致した。

季節調整済みの前期比は0.7%増だった。

同省は2022年の成長率見通しを3─5%で据え置くと同時に、ロシアとウクライナの紛争に起因する不透明感がある中、予想範囲の下半分にとどまる可能性が高いとの見方を示した。

同省のガブリエル・リム次官は「外部の経済環境は悪化した。中国が国内の新型コロナウイルス流行抑制のため実施した厳しい措置は同国の経済に重しとなり、世界の供給制約につながる可能性が高い」と指摘。

「その結果、供給混乱は当初予想より深刻かつ長期的になる見通しで、2022年を通じて続く可能性がある」とし、「海外の一部の国はわれわれの従来予想以上に生産が抑制され、GDP成長が弱まる可能性がある」との見方を示した。

MUFGのアナリスト、ジェフ・ウン氏は「シンガポールは第1・四半期に順調な前進を見せた。経済を再開し、全業種でアウトパフォームや正常化が見られるようだ」とした。一方「中国がリセッション(景気後退)入りすればシンガポール経済の下振れリスクとなるため、この先はより困難な時期になるだろう」と述べた。

シンガポールはインフレ見通しも維持した。これは、コアインフレ率が第3・四半期に4%前後でピークを打ち、年終盤に低下する可能性があることを示している。

23日に発表された4月の消費者物価指数(CPI)はコア指数が前年同月比3.3%上昇と、10年ぶりの高い伸びとなった。

シンガポール金融通貨庁(MAS)の副マネジングディレクター、エドワード・ロビンソン氏は25日の記者会見で「現在の金融政策スタンスは引き続き適切」との認識を示した。

「過去3回の金融引き締め措置で蓄積された効果により、インフレの勢いが鈍るだろう」と述べた。

Singapore Q1 GDP up 3.7%, matching forecastsUPDATE 1-Singapore sees 2022 GDP at lower end of forecasts amid war, supply chain woes シンガポール4月コアCPI、前年比+3.3% 10年ぶり高い伸び

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

台湾、中国との衝突望まず 対立挑発せず=副総統

ビジネス

中国商務相、エヌビディアCEOと会談 投資やAIに

ワールド

再送ガザ攻撃で27人死亡、カトリック教会も被害 ネ

ワールド

EU、対ロ制裁第18弾で合意 石油・エネ産業へさら
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長だけ追い求め「失われた数百年」到来か?
  • 4
    アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が…
  • 5
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 6
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 7
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 8
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 9
    「どの面下げて...?」ディズニーランドで遊ぶバンス…
  • 10
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 10
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中