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アジア高利回り債運用担当者、早くも年内様子見ムード 市場混乱で
11月17日、アジアの高利回り債運用担当者は、中国不動産部門の債務危機に端を発する域内社債市場の混乱が続く中、総じて新規発行案件への関与を避け、当面の様子見を決め込んでいる。ただ、流通市場では割安な社債を慎重に物色している。写真は北京のビジネス街。2019年8月撮影(2021年 ロイター/Stringer/File Photo)
[香港 17日 ロイター] - アジアの高利回り債運用担当者は、中国不動産部門の債務危機に端を発する域内社債市場の混乱が続く中、総じて新規発行案件への関与を避け、当面の様子見を決め込んでいる。ただ、流通市場では割安な社債を慎重に物色している。
アジアの高利回りジャンク債市場は、中国の不動産大手、中国恒大集団の債務危機が波及し、過去2カ月にわたり混乱が続いてきた。中国不動産業者が期日通りに元利金を払うかが焦点となる中、社債価格が急落し、投資リターンが低迷、企業が新たな社債を発行することが困難になっている。
モーニングスターによると、43件の高利回り債の年初からの投資収益率はマイナス15.8%となっている。前年の同じ期間ではプラス1.14%のリターンだった。
香港にある銀行の債務資本市場担当者は「高利回り債は不調が続いており、今損失を出せば通年の運用成績に影響すると誰もが承知している」とし、「運用担当者は通常、米感謝祭の後に帳簿を締めるが、今年は既に始まっている」と述べた。
11月にアジアで実施された高利回り社債による資金調達案件は、インドネシアの石油ガス会社メドコ・ローレル・ツリーによる3億9400万ドルの調達のみだった。9月と10月に総額57億ドル(ディアロジック調べ)の調達案件があったのとは対照的だ。
ディアロジックのデータによると、年内に39億ドル相当の高利回り社債が満期を迎える見通し。
アバディーンのアジア太平洋地域社債担当責任者、ポール・ルカスゼウスキ氏は「市場のボラティリティーが原因で社債発行が下火になるのはよくあることだ。投資家の需要が弱く、借り入れコストが高いため、発行主体は差し迫って起債する理由がなければ、状況が改善するのを待ちたいと考えるだろう」と説明した。