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米国株式市場=続落、CPI受けインフレ長期化巡る懸念
米国株式市場は続落して取引を終えた。消費者物価指数(CPI)上昇率が加速し、高インフレ長期化を巡る懸念が重しとなった。写真は10月20日撮影(2021年 ロイター/Brendan McDermid)
[ニューヨーク 10日 ロイター] - 米国株式市場は続落して取引を終えた。消費者物価指数(CPI)上昇率が加速し、高インフレ長期化を巡る懸念が重しとなった。
主要株価3指数はいずれも前日同様、取引時間中に下げ幅を拡大した。S&P総合500種とナスダック総合は8日まで8営業日連続で終値での最高値を更新していた。
ベアードの投資戦略アナリスト、ロス・メイフィールド氏は「歴史的な上昇を続けてきたことから市場が一服しても驚きはない」と指摘。その上で「年末に向けて市場を押し上げるのに十分な追い風が吹いていると考える」と述べた。
米労働省が10日発表した10月のCPIは前年同月比6.2%上昇と、1990年11月以来31年ぶりの大幅な伸びを記録した。世界的なサプライチェーンの制約を背景にインフレが、米連邦準備理事会(FRB)などの予想よりも長い期間、高止まりする兆候が示された。
オックスフォード・エコノミクスのチーフエコノミスト、グレゴリー・ダコ氏は今回のCPI統計について、現在の物価上昇にある程度の持続力があることを示すものだと指摘。「コアインフレがピークに達するのは2022年初めとみられ、インフレ見通しに関しては改善する前に悪化し続けるだろう」と語った。
S&Pの主要11セクターでは8セクターが下落。エネルギーの下落率が最大だった。一方、公益事業は上げを主導した。
アップル、マイクロソフトなどを中心に情報技術セクターも大きく下げ、S&Pを圧迫した。
電気自動車(EV)大手テスラは4.3%反発。テスラ株の約1割を売却するというマスク最高経営責任者(CEO)の提案に関するツイッター上の投票を受けて続いていた下げが止まった。
この日は新興EVメーカーのリビアン・オートモーティブが新規上場。株価は29.1%上昇した。新規株式公開(IPO)で120億ドルを調達した。
ネット証券のロビンフッド・マーケッツは続落し、6%安。顧客約500万人の電子メールアドレスを第三者が入手する事案が今月3日に発生したと明らかにしたことが引き続き嫌気された。
第3・四半期決算シーズンは終盤を迎えており、これまでに決算を発表済みのS&P500種採用企業のうち81%がアナリストの予想を上回っている。
娯楽大手ウォルト・ディズニーは時間外取引で4%超下落。引け後に発表した決算で、動画配信サービスの契約者数がさえなかった。
ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を2.26対1の比率で上回った。ナスダックでは2.50対1で値下がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は117億2000万株。直近20営業日の平均は108億9000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 36079.94 -240.04 -0.66 36299.25 36346.61 36009.50
前営業日終値 36319.98
ナスダック総合 15622.71 -263.84 -1.66 15753.84 15867.24 15543.68
前営業日終値 15886.54
S&P総合500種 4646.71 -38.54 -0.82 4670.26 4684.85 4630.86
前営業日終値 4685.25
ダウ輸送株20種 16588.03 -67.44 -0.40
ダウ公共株15種 917.04 +7.10 +0.78
フィラデルフィア半導体 3693.02 -107.55 -2.83
VIX指数 18.73 +0.95 +5.34
S&P一般消費財 1608.69 -11.02 -0.68
S&P素材 556.63 -4.00 -0.71
S&P工業 899.64 -5.70 -0.63
S&P主要消費財 757.21 +2.14 +0.28
S&P金融 663.33 -1.33 -0.20
S&P不動産 300.81 -1.48 -0.49
S&Pエネルギー 434.38 -13.29 -2.97
S&Pヘルスケア 1555.36 +4.09 +0.26
S&P通信サービス 274.39 -3.48 -1.25
S&P情報技術 2886.70 -49.21 -1.68
S&P公益事業 340.19 +2.38 +0.70
NYSE出来高 9.51億株
シカゴ日経先物12月限 ドル建て 29095 - 15 大阪比
シカゴ日経先物12月限 円建て 29080 - 30 大阪比