ニュース速報

ビジネス

FRBのタカ派シフト「自然な対応」、物価予想外に上昇=セントルイス連銀総裁

2021年06月19日(土)01時56分

6月18日、米セントルイス地区連銀のブラード総裁は、連邦準備理事会(FRB)が今週、金融政策の引き締めを早める方向にシフトしたことについて、新型コロナウイルス禍からの回復に伴い、経済成長、特にインフレ率が予想よりも伸びていることに対する「自然な」対応であるという認識を示した。写真は2018円1G0圧、シンガポールで講演するブラード総裁(2021年 ロイター/Edgar Su)

[ワシントン 18日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀のブラード総裁は18日、連邦準備理事会(FRB)が今週、金融政策の引き締めを早める方向にシフトしたことについて、新型コロナウイルス禍からの回復に伴い、経済成長、特にインフレ率が予想よりも伸びていることに対する「自然な」対応であるという認識を示した。

CNBCのインタビューで、自身が来年の利上げ開始を見込むFRB当局者の一人と明言。コロナ禍が「収束に向かう」中で、非危機的対応へのシフトは正常だとした上で、「われわれは良い年、良い再開を期待していたが、今年はわれわれが予想していたよりも大きな年で、インフレ率はわれわれの予想よりも伸びているため、インフレ圧力を抑制するために多少タカ派に傾いたのは自然なことだと思う」と語った。

さらに、変動の大きい食品・エネルギーを除くと、今年のインフレ率は3%に達し、来年も2.5%とFRBの2%目標を上回ると予想され、インフレ抑制に向け、利上げを「2022年終盤に開始すべき」と主張した。

FRBが毎月行っている1200億ドルの国債および住宅ローン担保証券(MBS)の買い入れについては、縮小の方法や時期を巡って今後数回の会合で「健全な」議論が行われると予想。また、住宅市場の「泡」を立てないためにMBSの購入をまず中止することを検討し、経済の動きに応じて毎月の縮小ペースを速めたり遅めたりする「機敏さ」を持つべきだとした。

2013年から14年にかけてのテーパリング(量的緩和の縮小)はもっぱら「自動操縦」によるものだったが、今回に関しては全ての指標が不安定かつ並外れていることから、これまで以上に状況に応じた行動が求められるとし、注意を促した。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ガザ人道危機「想像を絶する」、日本含む27カ国外相

ビジネス

米7月CPI2.7%、コア加速 関税の影響受けやす

ワールド

トランプ氏、パウエルFRB議長への「大規模訴訟」言

ワールド

ブラード前セントルイス連銀総裁、次期FRB議長打診
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    産油国イラクで、農家が太陽光発電パネルを続々導入する切実な理由
  • 2
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客を30分間も足止めした「予想外の犯人」にネット騒然
  • 3
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた「復讐の技術」とは
  • 4
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 5
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 6
    【徹底解説】エプスタイン事件とは何なのか?...トラ…
  • 7
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段…
  • 8
    なぜ「あなたの筋トレ」は伸び悩んでいるのか?...筋…
  • 9
    「古い火力発電所をデータセンターに転換」構想がWin…
  • 10
    「靴を脱いでください」と言われ続けて100億足...ア…
  • 1
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 2
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 3
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 4
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 5
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 6
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 7
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 8
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何…
  • 9
    こんなにも違った...「本物のスター・ウォーズ」をデ…
  • 10
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中