ニュース速報

ビジネス

プーチン氏、サイバー攻撃のロシア関与説を批判

2021年06月05日(土)03時04分

6月4日、ロシアのプーチン大統領は、米国がドルを経済および政治戦争の手段にしていると批判し、ロシアが石油・ガス取引の決済にユーロなど他の通貨を使用する可能性があるとけん制した。写真は同日、サンクトペテルブルク・フォーラムに出席するプーチン大統領(2021年 ロイター/Evgenia Novozhenina )

[サンクトペテルブルク/モスクワ 4日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は4日、米国で発生したランサム​ウエア(身代金要求型ウイルス)による攻撃をロシアと結びつけるのは愚かしく、今月中旬の米ロ首脳会談を前に波乱を巻き起こそうとする試みだと述べた。

サンクトペテルブルグ国際経済フォーラム(SPIEF)に出席しているプーチン氏は、ロシア国営テレビ「第1チャンネル」に対し、ランサム​ウエア攻撃にロシア政府が関与していたとの考えは「ナンセンス」だとし、「攻撃についてロシアを非難するのは愚かしい」と述べた。

米ホワイトハウスのサキ報道官は2日、バイデン大統領がランサムウエア攻撃による脅威の見直しに着手したと明らかにし、プーチン大統領と16日にジュネーブで行う会談でこの問題について取り上げると表明した。

プーチン大統領は、バイデン氏は経験豊かな政治家で、16日の首脳会談は前向きな雰囲気の中で実施されるとの見方を示したが、何らかの妥結が得られるとは予期していないと表明。米ロ関係の改善に道筋を付けることに主眼が置かれるとの考えを示した。

プーチン大統領はこれに先立ち、米国がドルを経済および政治戦争の手段にしていると批判し、ロシアが石油・ガス取引の決済にユーロなど他の通貨を使用する可能性があるとけん制。ロシアの石油企業がドル建てでの決済をやめれば、ドルの深刻な打撃になるだろうと述べた。

また、米国による対ロシア制裁は、米国内の政治競争によるもので、「謎だ」と述べた。米国がロシアの発展を阻止したいと公言しているとも述べた。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

英、イスラエルとの貿易交渉一時停止 ガザ攻撃巡り大

ワールド

EUと英国、ロシアに停戦圧力 「影の船団」標的に追

ワールド

石破首相、江藤農水相を更迭する方向で調整=報道

ビジネス

米関税政策、世界金融システム・経済成長にリスク=ス
MAGAZINE
特集:関税の歴史学
特集:関税の歴史学
2025年5月27日号(5/20発売)

アメリカ史が語る「関税と恐慌」の連鎖反応。歴史の教訓にトランプと世界が学ぶとき

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    コストコが「あの商品」に販売制限...消費者が殺到した理由とは?
  • 3
    【クイズ】世界で1番「太陽光発電」を導入している国は?
  • 4
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 5
    【裏切りの結婚式前夜】ハワイにひとりで飛んだ花嫁.…
  • 6
    中ロが触手を伸ばす米領アリューシャン列島で「次の…
  • 7
    「空腹」こそが「未来の医療」になる時代へ...「ファ…
  • 8
    小売最大手ウォルマートの「関税値上げ」表明にトラ…
  • 9
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山…
  • 10
    トランプは日本を簡単な交渉相手だと思っているが...…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」する映像が拡散
  • 4
    中ロが触手を伸ばす米領アリューシャン列島で「次の…
  • 5
    「運動音痴の夫」を笑う面白動画のはずが...映像内に…
  • 6
    コストコが「あの商品」に販売制限...消費者が殺到し…
  • 7
    ヤクザ専門ライターが50代でピアノを始めた結果...習…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「太陽光発電」を導入している国…
  • 9
    トランプ「薬価引き下げ」大統領令でも、なぜか製薬…
  • 10
    サメによる「攻撃」増加の原因は「インフルエンサー…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山…
  • 5
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 6
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 8
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 9
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 10
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中