ニュース速報

ビジネス

米経済は目標に程遠く、支援策「当面」必要=FOMC議事要旨

2021年04月08日(木)06時06分

米連邦準備理事会(FRB)が7日に公表した3月16─17日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、経済は改善しているものの、FRBが見据える目標の達成には程遠いほか、新型コロナウイルスによるリスクが根強く、先行きはなお「極めて不確実」という認識で一致した(2021年 ロイター/Leah Millis)

(内容を追加しました。)

[ワシントン 7日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が7日に公表した3月16─17日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、経済は改善しているものの、FRBが見据える目標の達成には程遠いほか、新型コロナウイルスによるリスクが根強く、先行きはなお「極めて不確実」という認識で一致した。

議事要旨では、FRBが支援策の引き揚げを検討できるほど状況が改善するまで「しばらく時間がかかる」と指摘。メンバー数人は早ければ来年にも利上げが必要になり得るとの考えを示唆したものの、全般的に利上げに対する緊迫した雰囲気は広がらなかった。

労働市場は改善する一方、依然としてコロナ禍の影響を受けており、物価は持ち直すとしても来年には沈静化すると予想。最近の米国債利回りの上昇は「経済見通しの改善を反映したものと一般的に考えられる」とした。

事実上のゼロ金利と月額1200億ドルの債券購入という現在の政策が金融の安定性にリスクを及ぼし得るとみる向きは数名にとどまった。メンバーらは「概して、今後数カ月および中期的に力強い雇用の伸びが続くと予想」する一方、「FOMCの広範かつ包括的な目標である最大雇用の達成には程遠い」と指摘した。

また、基調的なインフレ圧力は依然として弱く、1月までの消費者物価指数(CPI)の伸びは2%を大幅に下回っていると認め、インフレ率が長期的に平均2%となり、長期的な期待インフレ率も同様の水準にしっかりと固定されるよう、しばらくの間は2%を適度に上回るインフレ率の達成を目指すとした。

こうした中、大規模な金融緩和をどのくらい維持するかを巡って、この日はFRB当局者から異なる意見が出された。

シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は、年内に不快なインフレ高進が見られると予想されるものの、物価の伸びが再び2%を割り込まないよう注意すべきと主張。FRBは量的緩和の縮小を決定する前に目標に向けた進展を確認する必要があり「忍耐強くならなくてはならない」と語った。

FRBのブレイナード理事も、見通しが明るいとはいえ、雇用と物価の目標が確実に達成されるまで行動を起こさないというのがFRBの新たな姿勢だと指摘。今後数カ月間「成長や雇用、物価でかなり良い結果が期待できる」としながらも、実際にデータで確認する必要があり、現実問題としてコロナ禍の影響でなお何百万人もの雇用が失われている中で「道のりはまだ長い」と述べた。

一方、ダラス地区連銀のカプラン総裁は、低金利や資産購入が市場の行き過ぎた動きや不均衡を助長しかねないと警告。FRBはコロナ収束後、直ちに景気支援策の縮小に着手すべきとし、まずテーパリング(量的緩和の縮小)を実施し、来年には利上げに向かうほか、両方を同時に行うを選択肢もあり得ると訴えた。

ブラックロックの米州債券部長、ボブ・ミラー氏は、経済が継続的に進展していることと、危機を想定した政策を維持するというFRB独自の主張との間にあるギャップをFRBがこれ以上隠し通すことはできないと指摘。「緊急事態でないにもかかわらず、FRBは緊急時と同様のスタンスを維持しているが、改善の度合いを認めようとしない姿勢はますます困難になっているようにしか見えない」とし、おそらく6月の政策決定会合までにスタンス変更を余儀なくされる可能性があるという見方を示した。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

イラン情勢踏まえても、金融政策の具体的手法は日銀に

ビジネス

中東紛争、深刻な国際的ショックに発展も=豪中銀金融

ワールド

トランプ政権、米企業にベネズエラ国営石油会社との取

ワールド

英南東部の髄膜炎集団感染で2人死亡 大学生らにワク
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 2
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 3
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 4
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 5
    モジタバの最高指導者就任は国民への「最大の侮辱」.…
  • 6
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 7
    ガソリン価格はどこまで上がるのか? 専門家が語る…
  • 8
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 9
    観客が撮影...ティモシー・シャラメが「アカデミー賞…
  • 10
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったの…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 6
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 9
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 10
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中