ニュース速報

ビジネス

独VW、時価総額が一時1000億ユーロ超え CEOが喜びツイート

2021年03月04日(木)11時29分

 3月3日 ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の時価総額が一時1000億ユーロを上回った。同水準超えは2015年以来。終値では990億ユーロだった。写真はディースCEO。2020年9月、スペインのバルセロナで撮影(2021年 ロイター/Albert Gea)

[ロンドン/フランクフルト 3日 ロイター] - ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の時価総額が3日、一時1000億ユーロを上回った。同水準超えは2015年以来。終値では990億ユーロだった。

UBSが目標株価を50%引き上げて300ユーロとしたのを受けて、株価はこの日一時6%上昇した。リフィニティブのデータによると、アナリストの目標中央値は191ユーロ。UBSはVWの新しい電気自動車(EV)プラットフォームが米テスラのバッテリー式EV市場での優位を脅かすとも指摘した。

普段は物静かなイメージのVWだが、ディース最高経営責任者(CEO)はツイッターでUBSのリポートに言及し、時価総額の節目突破を誇らしげに語った。市場では、テスラのマスクCEOが自社の開発製品や暗号資産(仮想通貨)投資や新規技術などをツイッターでしばしば宣伝するのを引き合いに、ディース氏の新たな「ツイッター戦略」に話題が集まった。

ただ、同氏が自分の名前を使ったツイートを始めてからまだ2カ月足らずで、ツイートした数は51回、フォロワーは約2万5000人。一方のテスラのマスクCEOは4830万人だ。

VW株は今年に入って20%上昇しているとは言え、時価総額との比較ではテスラの6分の1。自動車産業のEV化でVWが果たす役割を完全には織り込んでいない可能性があるものの、1年後の業績予想に基づく株価収益率(PER)は7.5倍にとどまっている。テスラはバブル状態とも見なされる160倍だ。

UBSは両社の時価総額の差について、VWの時価総額では2025年までは同社業績にEV事業効果が反映されないとの見方が前提になっており、豊富なキャッシュフローを得られる従来型事業を織り込んでいないと指摘。VW株にさらなる値上がり余地があると示唆していた。22年にはテスラとの時価総額の差を埋めるだけのEV移行化に成功する可能性が高いとも評価している。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ワーナー、パラマウントの最新買収案拒否する公算 来

ワールド

UAE、イエメンから部隊撤収へ 分離派巡りサウジと

ビジネス

養命酒、非公開化巡る米KKRへの優先交渉権失効 筆

ビジネス

アングル:米株市場は「個人投資家の黄金時代」に、資
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 5
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 6
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 7
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 8
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 9
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 10
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中