ニュース速報

ビジネス

米インフレなお低水準、緩和策「当面」必要=SF連銀総裁

2021年03月03日(水)07時47分

米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は2日、金融政策は「当面」は緩和的であり続ける必要があるとの認識を示し、連邦準備理事会(FRB)の緩和策で望まざるインフレ高進が発生するとの懸念を一蹴した。写真は19年7月、サンフランシスコで撮影(2021年 ロイター/Ann Saphir/File Photo)

[2日 ロイター] - 米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は2日、インフレがなお過度に低水準にあり、失業が高止まりする中、金融政策は「当面」は緩和的であり続ける必要があるとの認識を示し、連邦準備理事会(FRB)の緩和策で望まざるインフレ高進が発生するとの懸念を一蹴した。

デイリー総裁はニューヨークのエコノミッククラブでの講演で「われわれに最も求められるのは忍耐だ」とし、労働市場の状況を絶えず精査しながら尚早な金融引き締めを回避する必要があると述べた。

その上で、現時点ではインフレが低すぎることがより大きなリスクになっていると指摘。「インフレ率が持続的に2%を回復するまで時間がかかる公算が大きい」と語った。

また、バイデン政権が策定している新たな財政刺激策で望まざるインフレが引き起こされることはないと確信していると表明。むしろパンデミック(世界的な感染大流行)克服の一助になるとし、ワクチン接種が進む中、米経済は下半期に回復するとの見方を示した。

総裁は講演後に記者団に対して、「忍耐」という言葉を使ったことに関して、「インフレ率が(FRBの)2%目標を突破したという最初の兆候が出たらすぐにわれわれが対応するわけではない」ということを明確にするためだと説明した。

今年の夏にはインフレ率が一時的であるものの大幅に上昇する可能性があり、そのためFRBは夏頃かなりの忍耐が求められると指摘した。

さらに、最近の国債利回りの上昇は、投資家の「明るい将来」への期待を反映しているとし、現行の金融政策は適切だとの考えを示した。

イールドカーブのスティープ化が進み、金融政策がFRBが望むほど緩和的な状態でなくなった場合、長期金利を引き下げるために購入する国債の年限を変えることが可能だと指摘。その上で「現行の政策に満足している」と述べた。

*発言内容を追加しました

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、カンボジアとタイは「大丈夫」 国境紛争

ワールド

コンゴ民主共和国と反政府勢力、枠組み合意に署名

ワールド

米中レアアース合意、感謝祭までに「実現する見込み」

ビジネス

グーグル、米テキサス州に3つのデータセンター開設
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生まれた「全く異なる」2つの投資機会とは?
  • 3
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃度を増やす「6つのルール」とは?
  • 4
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 5
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 6
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国…
  • 7
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 8
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 9
    レアアースを武器にした中国...実は米国への依存度が…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中