ニュース速報

ビジネス

情報BOX:パウエル米FRB議長の議会証言要旨

2021年02月24日(水)03時23分

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は23日、上院銀行委員会で開かれた経済状況に関する公聴会で証言した。写真は19年12月、ワシントンで撮影(2021年 ロイター/Joshua Roberts/File Photo)

[23日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は23日、上院銀行委員会で開かれた経済状況に関する公聴会で証言した。

証言の要旨は以下の通り。

*景気回復は引き続き一様でなく、完全と呼べる状況には程遠い。今後の先行きは極めて不確実

*現在の動向は、見通しが今年終盤にかけ改善する可能性を示唆

*米雇用とインフレに関する目標達成への道のりは長い

*一段の目立った進展を遂げるには時間を要する公算

*債券購入ペースを変更する際、「事前に」明確なコミュニケーションを取る

*景気の先行きは、新型コロナウイルス感染状況と感染抑制措置に大きく左右される

*進行中のワクチン接種は年内終盤にかけ状況が正常化に向かうという希望を与える

*景気の勢いは昨夏盛り返した後、著しく失速した

*雇用市場の改善ペースは減速した

*レジャー・接客業の大幅な雇用減が、多くの業種における雇用情勢の改善に影を落とした

*経済的混乱は多くの人の生活に痛手を与え、先行きを巡る不確実性を高めた

*パンデミック(世界的大流行)はインフレに「著しい爪痕」を残した。とりわけパンデミックの打撃を受けたセクターでの物価は軟調

*インフレ率は引き続きFRBの長期目標である2%を下回って推移する

*堅調な雇用市場に対応する目的のみで金融政策を引き締めることはない

*完全雇用が実現し、インフレ率が2%に上昇し、当面2%を若干上回る水準で推移する軌道に乗るまで、金利をゼロ近辺に維持する

<質疑応答>

*今、経済にとって最も重要なのはワクチン接種

*特定のグループに対処するのは財政政策であり、金融政策でない

*完全な回復までまだ長い道のりがある

*銀行の配当制限に関するFRBの決定にはコメントせず

*FRBの流動性と資産価格に関連性あり

*市場で起きていることには多くの要因あり、金融政策もその一つ

*直近3カ月で実質的な一段の進展ないが、持ち直しを期待

*FRBは全体の雇用者数だけでなく、他のグループの雇用者数も考慮

*金融政策は広範なツール、特定の低賃金労働者やマイノリティーの労働者を対象にできず

*金融緩和の維持、立ち退き者を出さないための唯一かつ最善の方法

*インフレ率はベース効果の影響で一時的に上昇する見通し

*年後半は支出が大幅に持ち直す可能性

*支出の増加が大規模または持続的なインフレにつながる可能性低い

*インフレ動向は急に変化しない

*財政支援や財政支出の急拡大は高インフレにつながらず

*望ましくないインフレ起きれば、対処するための手段ある

*時間とともにバランスシートの伸びは緩むが、資産購入は実質的な一段の進展見られるまで継続

*予想以上に早くコロナ禍を乗り越えることは可能だが「仕事はまだ終わっていない」

*年後半は国内外で非常に良好となる可能性

*今は財政赤字について考える時期ではないが、いずれその時がやって来る

*財政政策の判断を任せられたら何に重点を置くかとの問いに、教育や訓練に投資すると回答

*経済に長期的な変化をもたらす事物に焦点を当てる

*信用の分配は財政政策であり、FRBには可能でない

*連邦最低賃金の時給15ドルへの引き上げについて、FRBは(賛成反対)いずれの立場も取らず

*インフレは今後1年程度、幾分不安定となる見通し

*経済活動が全面再開すれば物価押し上げ圧力が高まる可能性あるが、大規模もしくは持続的な効果を及ぼすことはないだろう

*インフレ率が懸念される水準に上昇することは想定せず

*FRBはインフレ抑制に向けた方策を把握しているが、現時点で問題ではない

*パンデミック中、金融大手の底堅さが示された

*大手銀行の補完的レバレッジ比率(SLR)の対象除外を巡り、間もなく決定する

*米債利回り上昇、インフレ上昇と成長加速見通しが背景

*市場へのメッセージは何かとの質問に対し「雇用回復に向けた道のりは長い」

*FRBのフォワードガイダンスは適切、FRBが時間とともに忍耐強く行動すると見込むこと可能に

*FRBは慎重かつ忍耐強く行動へ、事前に多くを伝達する

*FRBは富の不均衡を巡り、間接的に影響を及ぼすことが可能

*FRBは2021年GDP見通しを更新し、6%のレンジとする可能性

*財政支援パッケージを巡り(賛成反対)いずれの立場も取らず

*米国はいずれ持続可能な財政の軌道に戻る必要があるが、現時点で戻る必要はない

*機が熟せば経済の拡大ペースが債務拡大を上回るよう、予算の規模を正常化する必要がある

*マネーサプライM2の伸びは経済見通しに重要な影響及ぼさず

*ワクチンとマスクがあれば比較的早くコロナ禍乗り切ること可能

*完全雇用に「近づくことさえ」なお片づけるべき多くの課題ある

*デジタル通貨を発行すべきかどうかを慎重に見極める

*デジタル通貨を巡り重大な技術的・政策的問題ある

*商業不動産市場の動向を注視

*オフィスやホテル・小売店など商業不動産市場の一角はかなりの圧力にさらされているが、一時的もしくは持続的な圧力かは不明

*気候変動への総合的な対応は当局者が行動するべき

*FRBは気候変動の対応において特定の役割を担い、FRBの規制下にある機関・団体の耐性を確実にする

*長期的に気候リスク開示を一段と標準化することが必要

*ある種の財政支援は大きな効果がある

*最大雇用を示す指標には人口に占める雇用者の比率が含まれる

*インフレ押し上げに向けた積極的な支出が実施されると想定するが、特に大規模もしくは持続的になるとは予想していない

*インフレ動向を忍耐強く注視

*インフレリスクは下向き

*ステーブルコインや新決済システムが金融政策の伝達に大きな影響与えると考えず

*Tビル利回りの低下は需要の増大によるもの

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米耐久財コア受注、3月は0.2%増 第1四半期の設

ワールド

ロシア経済、悲観シナリオでは失速・ルーブル急落も=

ビジネス

ボーイング、7四半期ぶり減収 737事故の影響重し

ワールド

バイデン氏、ウクライナ支援法案に署名 数時間以内に
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 2

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 3

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」の理由...関係者も見落とした「冷徹な市場のルール」

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 6

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 7

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    コロナ禍と東京五輪を挟んだ6年ぶりの訪問で、「新し…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 10

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中