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HISが上場来初の赤字、澤田社長「22年に19年水準を回復」

2020年12月12日(土)02時05分

エイチ・アイ・エスの澤田秀雄会長兼社長は11日の決算説明会で「2022年には19年の水準まで(売上高が)回復する」との見方を示した。写真は横浜の中華街。1日撮影。(2020年 ロイター/Issei Kato )

[東京 11日 ロイター] - エイチ・アイ・エス(HIS)の澤田秀雄会長兼社長は11日の決算説明会で「2022年には19年の水準まで(売上高が)回復する」との見方を示した。新型コロナウイルスの影響で20年10月期は上場来初の最終赤字となったが、21年の8―10月期には売上高が19年の80─85%に回復すると見ている。

澤田社長は「今現在、非常に厳しい状況が続いているが、業績回復の想定シナリオを持っている」と強調。ワクチンの普及や東京五輪などを見据えて、インバウンド・アウトバウンドを含め「徐々に回復する」との予想を語った。

同席した中谷茂取締役上席執行役員は「新しい年度いっぱい、来年末まで流動性の問題はない」と述べた。コミットメントラインや当座借越枠を確保、不動産の売却も続ける。キャッシュアウトを抑えるため「ホテルの投資はしばらくぐっと抑える」(澤田会長兼社長)という。さらにコロナ禍が長期化する場合は、本社屋やハウステンボスの売却も選択肢とした。

「もちろん旅行業が主だが、新しい事業も続々やって3―5年後にはいくつか柱にしたい」と述べた。新規事業として、そば店やリモート墓参り、ホテル・旅館の再生、人材派遣、農業などを挙げた。同社は、将来的な業界再編の可能性がでてきたと見ており、機動的なM&Aをしていく方針も示した。

20年11月─21年1月期の純損益は63億円の赤字になりそうだと発表した。前年同期は21億円の黒字。新型コロナウイルス感染拡大の影響が続くと見ており、売上高は前年同期比8割減の360億円を見込む。営業損益予想は100億円の赤字(前年同期は37億円の黒字)。

通期の見通しは、コロナの影響を合理的に算定するのが困難なため未定とした。リフィニティブがまとめたアナリストによる純損益予想の平均は152億円の赤字。コスト削減などによる収益体質の改善を図る。中谷氏は「下半期から連結ベースの黒字化が見えている」とした。

2020年10月期の純損益は250億円の赤字(前年は122億円の黒字)だった。02年の上場来、最終赤字は初めて。新型コロナの影響で、主力の旅行事業でフライトキャンセルや渡航制限の継続、全方面で企画旅行の催行を中止したほか、テーマパークはハウステンボスが長期休園などで入場者数がほぼ半減した。政府のGoToトラベルキャンペーンは期の後半にかけて国内旅行の売り上げ回復に寄与したが、効果が9月以降と限定的になったとしている。

売上高は前年から46.8%減の4302億円。営業損益は311億円の赤字(同175億円の黒字)だった。純資産は減少したが、財務制限条項には抵触していないとしている。

*語句を補いました。

ロイター
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