ニュース速報

ビジネス

米小売売上高、6月は7.5%増 前月から伸び鈍化

2020年07月17日(金)02時01分

米商務省が16日発表した6月の小売売上高は前月比7.5%増と、市場予想の5%増を上回った。カリフォルニア州アルカディアで6月撮影(2020年 ロイター/MARIO ANZUONI)

[ワシントン 16日 ロイター] - 米商務省が16日発表した6月の小売売上高は前月比7.5%増と、市場予想の5%増を上回った。新型コロナウイルス流行で停止状態にあった経済活動の再開に伴い、小売売上高は上向いたものの、感染再拡大や高水準の失業率が初期の景気回復を脅かす中、今後の見通しを巡る不透明感は根強い。

前月は18.2%増と、過去最大の伸びを記録していた。

エコノミストは2カ月連続での増加について、政府による週600ドルの追加失業給付が寄与していると指摘する。しかし、この特別措置は7月末に終了する。

MUFGのチーフエコノミスト、クリス・ラプキー氏は「少なくとも目先の消費動向を巡る状況は不透明なようだ」とし、「コロナ感染の第2波によって一部の州は制限措置を再導入し、7月の消費は向かい風に直面する」と述べた。

オックスフォード・エコノミクスのシニア米国エコノミスト、リディア・ブソル氏も「全国的に新型ウイルス感染が拡大していることで、消費回復の持続性は疑問にさらされている」とし、「感染拡大が最も深刻な州で需要が減退していることが、リアルタイム指標で示されている」と述べた。

6月は自動車などの高価格商品の売り上げが伸びたほか、外食が好調だった。

自動車・部品は8.2%増。ガソリンスタンドは15.3%増、家電は37.4%増、衣料品は105.1%増、家具は32.5%増となった。

レストランやバーなどの飲食は20.0%、娯楽・楽器・書籍は26.5%、それぞれ増加した。

一方、オンライン・通信販売は2.4%減、建設資材は0.3%減、生鮮食料品は1.6%減となった。

自動車、ガソリン、建設資材、食品サービスを除くコア小売売上高は5.6%増。5月は10.1%増加していた。コア売上高は国内総生産(GDP)の個人消費の構成要素と密接に連動する。

エコノミストは、第2・四半期の消費支出は年率換算で最大37%減少したと予想。消費支出は米経済活動の約3分の2を占めるため、同四半期の国内総生産(GDP)は約36%減となった可能性がある。

JPモルガンのチーフ米国エコノミスト、マイケル・フェローリ氏は「コロナ危機前の水準を下回ったものの、経済活動は5、6月に加速した」と指摘。同時に、最近の指標は「新型コロナ感染再拡大によって7月に活動が減速したことを示唆している」と述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

パキスタンがアフガン空爆、子ども9人死亡 タリバン

ワールド

日米首脳が電話会談、日中関係の悪化後初めて 高市氏

ワールド

パレスチナ、過去最悪の経済崩壊 22年分の発展が帳

ワールド

中国の新規石炭火力許可、25年は4年ぶり低水準に 
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 6
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 3
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中