ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏総合PMI速報値、2月は51.6に改善 予想上回る

2020年02月21日(金)19時57分

[ロンドン 21日 ロイター] - IHSマークイットが発表した2月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は51.6と、前月の51.3から上昇し、ロイターまとめたすべてのアナリスト予想を上回った。

予想中央値は51.0だった。PMIは50が好不況の分かれ目となる。

IHSマークイットのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「新型コロナウイルスで供給面の問題が起きており、多くの企業が様々な混乱に見舞われれているが、ユーロ圏経済は2月も何とか勢いを維持した」と指摘した。

需要は相対的に引き続き良好で、来月悪化することはないとみられる。新規ビジネス指数は、7カ月ぶりの高水準となった1月の51.3を維持した。

ウィリアムソン氏は、今回の調査結果について、域内総生産(GDP)が0.2%増となることを示唆していると分析。今週のロイター調査の予測と一致した。

サービス部門が好調だった。2月のサービス部門PMI速報値は52.8と、前月の52.5から上昇。市場予想を上回った。

需要は底堅く、雇用は引き続き拡大している。ただ雇用の拡大ペースは鈍った。雇用指数は52.6と、前月の53.0から低下した。

2月の製造業PMI速報値は49.1と、約1年ぶりの高水準。ロイターがまとめたすべてのアナリスト予想を上回った。50を下回ったものの、上昇が続いている。前月は47.9だった。

生産指数は48.4で、前月の48.0から上昇。

大半の先行指標が改善した。製造業が回復軌道を維持し、楽観的な見方が続いていることを示唆している。将来の生産に関する指数は57.9と、前月の17カ月ぶり高水準59.8から小幅な低下にとどまった。

ウィリアムソン氏は「拡大の主因は、サービス部門の歓迎すべき底堅さだが、製造業にも、過去1年以上生産者を悩ましている低迷から脱却する心強い兆しが出始めている」と述べた。

予想を上回るPMI統計の発表を受け、ユーロは対ドルで小幅上昇。ドイツ10年債利回りは4カ月ぶりの低水準から反発した。

INGのBert Colijn氏は「新型コロナウイルスの影響の初期の兆しは見られたが、2月のユーロ圏PMIは改善した。特に製造業の不況の震源地となっていたドイツで、製造業に回復の芽が見えた」と述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

金総書記、プーチン氏に新年メッセージ 朝ロ同盟を称

ワールド

タイとカンボジアが停戦で合意、72時間 紛争再燃に

ワールド

アングル:求人詐欺で戦場へ、ロシアの戦争に駆り出さ

ワールド

ロシアがキーウを大規模攻撃=ウクライナ当局
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 3
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌や電池の検査、石油探索、セキュリティゲートなど応用範囲は広大
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 6
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 7
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 8
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 9
    【クイズ】世界で最も1人当たりの「ワイン消費量」が…
  • 10
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中