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保護主義は世界経済にマイナス、激化収束の議論を期待=黒田日銀総裁
7月21日、黒田東彦日銀総裁は、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に出席するため訪れているアルゼンチンのブエノスアイレスで、貿易摩擦の問題について世界経済にマイナスの影響を与えるとし、激化が収まる方向で議論が展開されることに期待感を表明した。ブエノスアイレスで21日、写真撮影に備える黒田総裁(前列左)ら(2018年 ロイター/Marcos Brindicci)
[ブエノスアイレス/東京 21日 ロイター] - 黒田東彦日銀総裁は21日、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に出席するため訪れているアルゼンチンのブエノスアイレスで、貿易摩擦の問題について世界経済にマイナスの影響を与えるとし、激化が収まる方向で議論が展開されることに期待感を表明した。
総裁は、G20における世界経済と国際金融情勢の議論について、世界経済は順調に成長しているとしながら、国際通貨基金(IMF)が貿易摩擦を世界経済のリスクに指摘したことなどに言及し、「こうしたことについて議論があると思う」と語った。
貿易摩擦については「保護主義というのは世界貿易に悪い影響を与える。世界経済がせっかく順調に成長してきたことに対して、マイナスの影響を与える恐れがある」と懸念。「どこかで抑制が働くのではないか」との見方を示しながら、「話し合いによって関税引き上げのエスカレーションが収まる方向の議論がなされればいい」とG20での議論に期待感を示した。
また、為替市場については「ファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが一番望ましい」と語った。
米国の利上げが世界経済に与える影響では、米連邦準備理事会(FRB)が「非常に慎重に米国経済・物価の動向をみながら正常化を進めており、米国・世界経済にとってマイナスではない」と述べるとともに、新興国に対しても「新興国全体に大きな影響を及ぼす可能性はあまりない」との見方を示した。
日銀が7月末の金融政策決定会合で、金融緩和長期化の副作用を和らげる目的で長期金利目標の柔軟化を検討する、との一部報道については「事前に私から予測めいたことを申し上げるのは適切ではない」とし、「どういう根拠があって報道しているのか、まったく知らない」と語った。
*写真を追加します。