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インタビュー:PB型の金融商品の販売目指す=舟竹セブン銀行社長

2018年06月20日(水)00時25分

[東京 20日 ロイター] - セブン銀行<8410.T>の舟竹泰昭社長は、ロイターとのインタビューで、将来的にはセブン―イレブン店舗で購入できるプライベートブランド(PB)型の金融商品を開発したいとの意向を明らかにした。

舟竹社長は「コンビニエンスストアがベースなので、手軽でシンプルに買ったり、借りたりできる金融商品を提供できるようにしたい」と語った。顧客情報をデータ化し、属性に合わせたローンや保険、運用商品の提供を検討する。

舟竹社長は旧日本長期信用銀行(現新生銀行)を経て、2001年にセブン銀行に入行。19日付で社長に就任した。

インタビューの主なやり取りは以下の通り。

――キャッシュレス決済が広がる中で、ATM事業の将来は。

「キャッシュレスや電子決済が進んでおり、ATMの役割を従来の銀行口座やクレジットカードからの現金の出し入れに限っていると、市場は小さくなる。しかし、デジタル化やキャッシュレス化が進めば、デジタルとリアルの接点が必要だ。チャージタイプのデジタルマネーには、チャージ拠点として活用するニーズもあり、キャッシュレス決済の入り口としての利用を増やしていきたい。ATMの新しい利用スタイルを作る」

「各金融機関にとって、自行ATMは重荷になっている。これを軽くしたり、あるいは標準化してコスト削減したいという動きもある。新生銀行はすべてのATM(64台)を、地銀18行とは43台を代替設置している。個別の引き合いもきており、ビジネスチャンスだ。わざわざ自分たちで作らないで、標準化されたわれわれのATMを使ってもらえるようにしたい」

――セブンーイレブンの顧客データをどのように活用するか。

「今までは顧客を囲い込むとか、組織化するなどとは考えず、顧客に端末を提供し、どの口座でも使えるプラットフォーマーとして展開してきた。入り口としては成功したと思うが、事業会社の顧客基盤を使わないでいいのかという考えはある」

「今後は、セブン&アイ・グループとして顧客管理戦略を進め、顧客に1つの番号を持ってもらって情報を集約しながら、銀行として新しいサービスを提供したい。5―10年と時間はかかるかもしれないが、せっかく顧客基盤があるので、グループとしてプロジェクトを進めている」

――具体的には、どのような展開を考えるのか。

「具体的に言える状況ではないが、コンビニがベースなので、手軽でシンプルに買ったり借りたりできるような金融商品を考えたい。たとえば、現金が足りないときに後払いできるような個人向けのファイナンスや保険、運用商品などだ。顧客のビッグデータを活用し、金融商品のメーカーとなる保険会社や運用会社と一緒に作っていくことができれば面白い。金融版の『セブンプレミアム』のような商品ができたらいいと考えている」

*インタビューは、7日に実施しました。

(布施太郎 編集:田巻一彦)

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