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焦点:みずほFGトップ交代、坂井次期社長に問われる「稼ぐ力」

2018年01月16日(火)05時52分

1月15日、みずほフィナンシャルグループが、トップ交代に踏み切った。写真は2015年7月、都内で撮影(2018年 ロイター/Thomas Peter)

[東京 15日 ロイター] - みずほフィナンシャルグループが、トップ交代に踏み切った。佐藤康博社長は会長に退き、坂井辰史・みずほ証券社長がグループCEOとして舵取りを担う。佐藤社長の下でガバナンス改革は進んだものの、収益力ではライバルのメガ銀行グループから見劣りするのが現状だ。伝統的な金融ビジネスが斜陽する中で、証券会社トップを務めた坂井氏を後任に据えることで、新たな「稼ぐ力」をどのように創り出していくのかが問われる。

<目指すは旧興銀モデルか>

「(社長交代の)タイミングはあってもおかしくないとは思ったが、後任はサプライズ」―─。証券会社のトップを務めていた坂井グループCEOの誕生には、ライバル銀行はもとより、みずほ内部でも驚きの声が上がった。

ただ、関係者の間では、坂井氏は佐藤氏からの評価も高く「2年前の坂井氏のみずほ証券社長就任も、佐藤氏による抜擢人事」(グループ幹部)との評があった。

実際、佐藤氏は15日の交代会見で「証券会社の社長がグループのトップになることに非常大きな意味を見出している」と力を込めた。

銀行の伝統的業務である預貸金収益は、長引く低金利環境下で悪化の一途。メガ銀行グループはこぞって手数料ビジネスの拡大に注力している。中でもみずほが注力しているのが、大企業取引での証券業務の拡大だ。

旧みずほコーポレート銀行時代には「グローバル投資銀行宣言」として、大企業相手に債券や株式などの証券業務を拡大する戦略をぶち上げた。「融資は大企業取引のエントリーチケット。その後の債券や株式の引き受けで収益を稼ぐ」(佐藤氏)ビジネスモデルだ。グループ内には「旧興銀が追い求めたビジネスモデル」との声も漏れる。

佐藤氏は、今回の会見でも「今までは証券というと子会社的な扱いだったが、証券を1つの機軸に据えながら、みずほが発展するというメッセージ」と語った。

<問われる収益に対するどん欲さ>

7年間に及ぶ佐藤社長時代に、グループは大きく装いを変えた。傘下の旧コーポレート銀行とみずほ銀行は合併し、証券会社も統合した。メガバンクの中でいち早く委員会等設置会社に移行し、ガバナンスの強化にも取り組んだ。

一昨年からは銀行、信託、証券などのグループ各社を横断して大企業やリテール、海外などの顧客別に横串を通すカンパニー制も導入した。経営刷新に向けた取り組みはメガでも随一だ。

しかし、収益が追い付いてこないのが実情だ。グループ幹部からは「ガバナンス改革はあくまで手段であって目的ではない。どこかで履き違えてしまったのかもしれない」との言葉さえ出る。

収益力低迷の原因について「収益に対するどん欲さが失われている」との指摘もある。ある中堅幹部は「大企業取引でも『いい提案をすればそれでいい。収益は後から付いてくる』と思っていたら、結局、付いてこなかったというオチだ」と打ち明ける。

坂井次期社長は会見で「適切なリスクテークに対するスタンスが、やや守りの姿勢に傾きがちな面は否みきれない。意識改革しなければボトムラインをしっかり稼ぐ力は身に付かない」と語った。

金融ビジネスは「テクノロジー進化など、数十年に1度の大きな転換期」(佐藤社長)だ。みずほが新たなビジネスモデルを構築し、「稼ぐ力」を創り出せるかどうか、坂井社長の手腕が試されることになる。

*本文中の脱字を補って再送します。

(布施太郎 編集:田巻一彦)

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