ニュース速報

ビジネス

ドル113円後半、日銀の指し値オペ受け短期筋が円売り

2017年07月07日(金)16時03分

 7月7日、午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル高/円安の113円後半。日銀の指し値オペ実施を受け海外短期筋によるドル買い/円売りが盛り上がり、ドルは一時113.83円まで上昇した。写真は都内で2014年1月撮影(2017年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 7日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル高/円安の113円後半。日銀の指し値オペ実施を受け海外短期筋によるドル買い/円売りが盛り上がり、ドルは一時113.83円まで上昇した。ただ、買いが一巡した後は伸び悩み、米雇用統計の発表を控えて、もう一段のドル買いには慎重になっているもようだ。

朝方のドル/円は、日経平均株価が100円超安で寄り付く中、113円前半での動きが続いていた。

10時過ぎには日銀が「5年超10年以下」「10年超」を対象に国債買い入れを通告。「5年超10年以下」では、買入予定額を5000億円と前回から500億円増額し、特定銘柄を無制限に購入する「指し値オペ」に踏み切り、金利上昇をけん制した。

指し値オペに対する応札は結果的にゼロだったが、オペの告知を受けて円売りが強まり、ドル/円は一時113.83円に急上昇した。

クロス円にもオペの余波が及び、ユーロ/円は129.30円付近から一時129.92円に、英ポンド/円は146.70円付近から一時147.62円付近に、それぞれ上昇した。

日銀の金融市場局は指し値オペについて「足元の長期金利が大きく上昇していることを踏まえ、10年物国債金利の操作目標を0%程度とする金融市場調節方針をしっかりと実現するよう実施した」と説明した。

ニッセイ基礎研究所のシニアエコノミスト、上野剛志氏は「日銀として、10年国債利回りが0.1%を明確に上回るような金利上昇は認めないという強い意志を発信したかったのだろう。日銀の緩和姿勢が示されたことで、ドル/円にはポジティブに働いた」と指摘している。

今夜には米雇用統計の発表を控えるが「指標発表にかけて、ドルは113円後半で底堅い動きになるのではないか」(邦銀)とみられている。「(雇用統計が)良好な結果なら、114円台への上昇もあり得る」(同)という。

ただ、113円後半から114円にかけては戻り待ちの売りが出やすいとみられている。

今夜は、米雇用統計のほか、G20首脳会議が予定されており、要人発言などが伝われば相場が反応する可能性もある。

また、米金融政策報告書の発表も予定される。従来、同報告書はイエレン議長の半期議会証言(12日)と同時の発表だったが、今回は前倒しで公表される予定だ。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 113.69/71 1.1406/10 129.68/72

午前9時現在 113.14/16 1.1419/23 129.20/24

NY午後5時 113.20/24 1.1422/24 129.28/32 

(為替マーケットチーム)

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

台湾の頼総統、中国軍事演習終了後にあらためて相互理

ビジネス

ロシア事業手掛ける欧州の銀行は多くのリスクに直面=

ビジネス

ECB、利下げの必要性でコンセンサス高まる=伊中銀

ビジネス

G7、ロシア凍結資産活用は首脳会議で判断 中国の過
MAGAZINE
特集:スマホ・アプリ健康術
特集:スマホ・アプリ健康術
2024年5月28日号(5/21発売)

健康長寿のカギはスマホとスマートウォッチにあり。アプリで食事・運動・体調を管理する方法

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発」で吹き飛ばされる...ウクライナが動画を公開

  • 2

    「なぜ彼と結婚したか分かるでしょ?」...メーガン妃がのろけた「結婚の決め手」とは

  • 3

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を受け、炎上・爆発するロシア軍T-90M戦車...映像を公開

  • 4

    アウディーイウカ近郊の「地雷原」に突っ込んだロシ…

  • 5

    黒海沿岸、ロシアの大規模製油所から「火柱と黒煙」.…

  • 6

    なぜ? 大胆なマタニティルックを次々披露するヘイリ…

  • 7

    批判浴びる「女子バスケ界の新星」を激励...ケイトリ…

  • 8

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 9

    これ以上の「動員」は無理か...プーチン大統領、「現…

  • 10

    戦うウクライナという盾がなくなれば第三次大戦は目…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気を失った...家族が語ったハマスによる「拉致」被害

  • 3

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発」で吹き飛ばされる...ウクライナが動画を公開

  • 4

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 5

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 6

    ウクライナ悲願のF16がロシアの最新鋭機Su57と対決す…

  • 7

    黒海沿岸、ロシアの大規模製油所から「火柱と黒煙」.…

  • 8

    戦うウクライナという盾がなくなれば第三次大戦は目…

  • 9

    能登群発地震、発生トリガーは大雪? 米MITが解析結…

  • 10

    「天国にいちばん近い島」の暗黒史──なぜニューカレ…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中