ニュース速報

ビジネス

カナダ中銀、金利据え置き 財政措置唯一のけん引役と指摘

2016年04月14日(木)09時21分

 4月13日、カナダ中銀が政策金利を0.5%に据え置いた。写真はポロズ総裁。オタワで1月撮影(2016年 ロイター/Chris Wattie)

[オタワ 13日 ロイター] - カナダ中銀は13日、予想通りに政策金利を0.5%に据え置いた。中銀は世界的な成長鈍化のほか、軟調な米経済見通し、企業投資の鈍化を受け、政府の財政刺激策がなければカナダ経済の見通しは悪化していたと指摘。ただインフレ動向をめぐるリスクは概ね均衡しているとの認識を示した。

中銀は2015年7月以来政策金利を0.5%に維持している。

中銀は、エネルギー部門の低迷が続くなか、トルドー政権が3月に発表した予算案が経済の唯一のけん引役となっていると指摘。2016年の成長率予想を上方修正したものの、今回の声明の文言はハト派的なものとなった。

中銀は最大の貿易相手国である米国の景気は今後勢いを取り戻すとの見方を示したものの、カナダの対米輸出を後押しするような形での回復にはならないと予想。世界的な経済成長も1月時点の予想より軟調になるとの見方を示した。

さらに、カナダドルのこのところの上昇が輸出の阻害要因になると指摘。「こうした情勢すべてが中銀の見通しの下方修正につながるはずだったが、3月発表の連邦予算に含まれる財政措置で国内総生産(GDP)は明らかに底上げされる」とした。

ポロズ総裁は記者会見で「世界にはまだマイナスの要素があり、われわれを押し返そうとする逆風も吹いている。今後2年間はこうした状況がある程度続くと予想している」と語った。

また、為替相場が1月の12年ぶりの安値から急回復したことはコモディティ価格の強含みを反映しているが、待ち望まれる資源以外の輸出の回復に対してはリスクをもたらす可能性があるとの見方を示した。

金利据え置きを受けてカナダドルは底堅い動きとなったが、その後は再び軟化した。

ポロズ総裁はビジネスニュース放送のBNNに対し、中銀がカナダドル安を目標に掲げているとの見方を否定した。

中銀は財政政策の発動によりGDP伸び率は16年は0.5%ポイント、17年は0.6%ポイント押し上げられると予想。

成長率は16年は1.7%になるとの予想を示し、1月に示した1.4%から上方修正した。17年は2.3%になるとの見通しを示した。

*内容を追加します。

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

台湾の頼総統、中国軍事演習終了後にあらためて相互理

ビジネス

ロシア事業手掛ける欧州の銀行は多くのリスクに直面=

ビジネス

ECB、利下げの必要性でコンセンサス高まる=伊中銀

ビジネス

G7、ロシア凍結資産活用は首脳会議で判断 中国の過
MAGAZINE
特集:スマホ・アプリ健康術
特集:スマホ・アプリ健康術
2024年5月28日号(5/21発売)

健康長寿のカギはスマホとスマートウォッチにあり。アプリで食事・運動・体調を管理する方法

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発」で吹き飛ばされる...ウクライナが動画を公開

  • 2

    「なぜ彼と結婚したか分かるでしょ?」...メーガン妃がのろけた「結婚の決め手」とは

  • 3

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を受け、炎上・爆発するロシア軍T-90M戦車...映像を公開

  • 4

    アウディーイウカ近郊の「地雷原」に突っ込んだロシ…

  • 5

    黒海沿岸、ロシアの大規模製油所から「火柱と黒煙」.…

  • 6

    なぜ? 大胆なマタニティルックを次々披露するヘイリ…

  • 7

    批判浴びる「女子バスケ界の新星」を激励...ケイトリ…

  • 8

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 9

    これ以上の「動員」は無理か...プーチン大統領、「現…

  • 10

    戦うウクライナという盾がなくなれば第三次大戦は目…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気を失った...家族が語ったハマスによる「拉致」被害

  • 3

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発」で吹き飛ばされる...ウクライナが動画を公開

  • 4

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 5

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 6

    ウクライナ悲願のF16がロシアの最新鋭機Su57と対決す…

  • 7

    黒海沿岸、ロシアの大規模製油所から「火柱と黒煙」.…

  • 8

    戦うウクライナという盾がなくなれば第三次大戦は目…

  • 9

    能登群発地震、発生トリガーは大雪? 米MITが解析結…

  • 10

    「天国にいちばん近い島」の暗黒史──なぜニューカレ…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中