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ドル121円前半でしっかり、株価の堅調推移に連れ高

2015年03月11日(水)12時48分

 3月11日、正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル高/円安の121円前半だった。2014年11月撮影(2015年 ロイター/Issei Kato)

[東京 11日 ロイター] - 正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル高/円安の121円前半だった。朝方はやや上値が重く一時121円を割り込んだが、日経平均株価の堅調推移に連れ高となり、正午にかけて121円半ばまで強含んだ。

朝方のドル/円は、米株式反落の流れを引き継ぎ、弱含みで推移した。「リスク選好的なムードは期待できない」(国内金融機関)とされるなか、一時120.85円まで下落した。

ただ、ドル/円の下押しも限定的だった。安く始まった日経平均が徐々に下げ幅を縮小させ、その後プラス圏にしっかり乗せてくると、ドル/円は連れ高となり正午にかけて121.45円まで上昇した。仲値付近では実需筋の目立ったフローは見られなかったという。

市場では「目先、122円をすぐに回復するとは思わない。日本株は堅調だが、米株の調整がどれだけ長引くのか見極めたいという人は多いのではないか」(邦銀)との声が出ていた。

米国では、ドル高が多国籍企業の収益を圧迫することが懸念されている。ダウ工業平均は10日の取引で332ドル下落したが、市場では「ダウはドル高を嫌気した面もある。極端なドル高はリスクオフ要因として受け取られやすく、政府要人からもけん制発言が出てくる可能性があり、注意が必要だ」(国内金融機関)との指摘が出ていた。

前日海外時間には、米政府要人のドル高けん制発言が話題となる場面があった。米大統領経済諮問委員会(CEA)のファーマン委員長は、ドル高は米経済に対する向かい風になるとの見解を示した。

<ユーロは「反転の兆し見えない」>

ユーロ/ドルは早朝1.0666ドルまで下落し、2003年4月以来、11年11カ月ぶりの安値をつけた。午前9時過ぎにかけて1.0718ドルまで持ち直したが続かず、正午にかけて安値圏に戻っている。

前日海外時間は、米連邦準備理事会(FRB)が年央にも利上げを行うとの観測が強まりドルが買われた一方、欧州中央銀行(ECB)の量的緩和開始でユーロ圏の国債利回りが低下する中、ユーロが全面安となった。

市場では「ユーロは多少のショートカバーがあってもすぐに売りにつかまって、反転の兆しが見えない。9日の量的緩和開始は織り込まれていたはずだが、実際始まると欧米の金融政策の方向性の違いが意識された」(外為アナリスト)との声が出ていた。

ユーロは、ギリシャ債務問題も重しとなっている。ドイツ銀行は9日付のリサーチ・ノートで、ユーロ/ドルは年末までにパリティの1.0000ドル、2016年末までに0.90ドル、17年末までに0.85ドルに下落するとの予想を示している。

ドル/円   ユーロ/ドル ユーロ/円

正午現在   121.36/38 1.0683/87 129.66/70

午前9時現在 121.05/07 1.0705/09 129.59/63

NY午後5時 121.13/15 1.0698/00 129.57/61

(為替マーケットチーム)

ロイター
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