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2025年05月13日(火)19時04分

 5月13日、世界的な資産運用会社ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)は、貿易戦争や米財政赤字拡大が懸念される中、数十兆ドル相当が現金として滞留していると指摘した。写真は、同社ロゴ。2016年10月、東京で撮影(2025年 ロイター/Toru Hanai)

[リヤド 13日 ロイター] - 世界的な資産運用会社ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)は13日、貿易戦争や米財政赤字拡大が懸念される中、数十兆ドル相当が現金として滞留していると指摘した。サウジアラビアのリヤドで開催された投資フォーラムで述べた。

フィンク氏は「欧州の銀行口座には12兆ユーロ、米国ではマネー・マーケット・ファンド(MMF)に11兆ドルが眠っている。不確実性があると、現金の保有が増える。それが起こっている」と述べた。

この日、トランプ米大統領はサウジアラビアを皮切りに中東3カ国歴訪を開始した。

フィンク氏は、トランプ氏の通商政策によって市場が混乱したが、グローバル投資家の多くはなお米国をオーバーウエートにしていると述べた。米国資産から他の資産への「緩やかな再配分」は欧州に恩恵をもたらし、湾岸地域、インド、日本に対する投資家の関心を高めたと指摘した。

米国は、中国との週末の閣僚級協議で、関税率を90日間下げることで合意した。

フィンク氏は、ベセント米財務長官やサウジのジャドアーン財務相らを前に「これから不確実な局面に入り、われわれは、協議で取り上げられなかった財政赤字に注目することになる」とし「米国の財政赤字は問題だ。米経済は、この赤字を克服するために3%成長する必要がある。トランプ大統領がやろうとしていることは、サウジがこれまで取り組んできたことと同じく官民投資の拡大だと確信している」と述べた。

サウジの経済変革プログラム「ビジョン2030」を称賛し、同国が21世紀のグローバルリーダーになる可能性を秘めた多様な経済を構築していると述べた。

米投資会社ブラックストーンのスティーブン・シュワルツマンCEOは、「ビジョン2030」も他の大々的改革事業と同様、達成できないこともあるだろうが、くじけずに推進していくよう促した。

ロイター
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