ニュース速報

改憲勢力3分の2割り込む、自公71議席 立憲・維新伸長=参院選

2019年07月22日(月)07時28分

[東京 22日 ロイター] - 第25回参院選は21日投票が行われ、即日開票の結果、与党の自民、公明両党が改選過半数の63議席を上回り、政権基盤を維持した。NHKや共同通信など報道各社によると、自民は改選前議席から9議席減らし57議席。安倍晋三首相(自民党総裁)が目指す憲法改正に前向きな自民、公明、維新などの勢力は合計85議席を下回り、非改選と合わせ改憲の発議に必要な全議席の3分の2を下回った。

野党では、立憲民主党がほぼ倍増し、日本維新の会も伸びた。国民民主党と共産党は議席を減らした。れいわ新選組が2議席、NHKから国民を守る党が1議席を獲得した。

今回の参院選は、年金問題や憲法改正問題が争点となったが、有権者の関心は盛り上がらず、投票率は戦後2番目に低い48.80%にとどまった。

こうした中で、自民党は32の1人区で22勝10敗となり、改選66議席から9議席減らし、57議席となった。与党筋によると、安倍首相周辺は内々に60議席を目標としていたとされるが、東北地方など1人区での「取りこぼし」により、その水準に届かず、非改選議席を含めた単独過半数も維持できなかった。

安倍首相はテレビ番組で「国民は安定した基盤の下に政策を進め、国益を守るよう判断した」と強調し、消費税率10%への引き上げは予定通り今年10月に実施するとした。

ただ、安倍首相が選挙期間中、強く訴えてきた憲法改正は、改憲勢力が3分の2を割り込み、2020年中の憲法改正のハードルは高くなった格好だ。与党内には、改憲に前向きな国民民主党の一部議員の賛同を得るべきだとの意見もあり、野党分断の戦術に安倍首相が打って出る可能性もささやかれている。

自民党の二階俊博幹事長は21日のテレビ番組で「安心・安定の政治を託していただき、その期待を裏切らないようしっかりやっていく。選挙に勝ったから何でもできるということではなく、自民への期待を大切にしていく」と述べ、慎重な政権運営の重要性を強調した。

野党は、立憲民主党や国民民主党、共産、社民などが1人区で候補者を一本化し、自民党と野党統一候補の事実上の一騎打ちの構図にし、東北4県や新潟、長野、滋賀、愛媛、大分、沖縄の10選挙区で勝利。16年の11議席には及ばなかったものの、野党陣営からは、統一候補を擁立できなければ与党の圧勝を許したとの声も聞かれる。

野党の中では立憲民主党の勢いが目立ち、改選前の9議席からほぼ倍増の17議席を確保した。枝野幸男代表は「少なくとも自民の議席はかなり減り、従来の議会よりは、しっかり説明責任を果たせ、行政監視のやりとりができる」と述べた。

一方、国民民主党は改選議席8議席を下回った。ただ、無所属で当選した候補の入党も見込まれ、結果的に改選議席を維持する可能性もある。日本維新の会は改選議席7議席を上回った。

このほか、今年4月に結成されたばかりのれいわ新選組が2議席を獲得。社民党、NHKから国民を守る党が1議席を得た。

参院選は3年ごとに半数を改選する。今回は選挙区215人、比例代表155人の計370人が立候補した。

今回の参院選は、人口が少ない隣接選挙区を統合する「合区」の導入に伴い、合区導入県の議員救済のために、比例区で優先的に当選できる「特定枠」が導入された。

政党名 獲得議席        改選前  非改選

(数字はNHK・共同通信など)           

自民 57           66   56

公明 14           11   14 

立民 17            9   15

国民  6            8   15

共産  7            8    6

維新 10            7    6

社民  1            1    1

れいわ 2            1    0

N国  1            0    0

無所属 9            4    8

(竹本能文 編集:田巻一彦)

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

JPモルガンCEO、クレカ金利上限案に改めて反対 

ワールド

トランプ氏「カナダは米に感謝すべき」、カーニー氏の

ワールド

トランプ氏、ゼレンスキー氏と22日会談 「合意可能

ワールド

トランプ氏、グリーンランド「大枠合意」 武力行使否
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」の写真がSNSで話題に、見分け方「ABCDEルール」とは?
  • 2
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 3
    韓国が「モンスター」ミサイルを実戦配備 北朝鮮の核開発にらみ軍事戦略を強化
  • 4
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 5
    飛行機よりラク? ソウル〜釜山「110分」へ――韓国が…
  • 6
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 7
    【総選挙予測:自民は圧勝せず】立憲・公明連合は投…
  • 8
    「怖すぎる...」モルディブで凶暴な魚の群れに「襲撃…
  • 9
    サーモンとマグロは要注意...輸入魚に潜む「永遠の化…
  • 10
    宇宙人の存在「開示」がもたらす金融黙示録──英中銀…
  • 1
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 2
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 3
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試掘の重要性 日本発の希少資源採取技術は他にも
  • 4
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 5
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 6
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 7
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 8
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 9
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で…
  • 10
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中