ニュース速報

欧州市場サマリー(14日)

2019年06月15日(土)05時39分

[14日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 反落して取引を終えた。中国の軟調な指標を受けてアジアへのエクスポージャーが高い銘柄が売られた。住宅建設部門を割安価格で売却すると報道された不動産・建設のキアー・グループも大幅安だった。

アジアへのエクスポージャーが高い金融株は今週、香港で「逃亡犯条例」改正案を巡る大規模なデモが起きたことにより既に打撃を受けてきた。この日発表された中国の5月の鉱工業生産が約17年ぶりの低い伸びとなったことで長引く米中貿易摩擦の影響が浮き彫りとなり、こうした金融株が一段安となった。金融大手HSBCと保険大手プルーデンシャルはFTSE100種の大きな押し下げ要因となった。

キアー・グループは35.5%急落し、過去最安値をつけた。債務削減に向けて住宅建設部門を割安価格で売却するとの英タイムズ紙の報道が材料視された。

FTSE350種住宅建設株指数<.FTNMX3720>は1.17%低下した。メイ英首相の後任を決める与党・保守党の党首選の第1回投票で欧州連合(EU)からの強硬離脱派、ジョンソン前外相が首位に立ち、英国が合意なしに離脱するとの懸念が重しとなった。

小型株では人材紹介のエススリーが4.2%上昇した。海外市場の底堅い業績が奏功し、手数料の純収益が増えたことが好感された。

<欧州株式市場> 反落して取引を終えた。通商政策に左右されやすいテクノロジー銘柄が売られ、全体水準を押し下げた。

米半導体大手ブロードコムが通期の売上高見通しを20億ドル引き下げ、米中貿易摩擦のほか、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)に対する輸出規制が要因だと述べた。

欧州株式市場で同業銘柄がつれ安となり、ダイアログ・セミコンダクターとSTマイクロエレクトロニクス、シルトロニック、AMSは2.5%から7.6%下落した。STOXX欧州600種テクノロジー株指数<.SX8P>は1.78%低下した。

スイスを拠点に置くコンサルタント会社DKSHは1.6%下落。クレディスイスが投資判断を「アンダーパフォーム」に引き下げたことが嫌気された。

ただ今週は、欧州や米国の中央銀行が緩和的な政策を導入して5月の株安要因だった成長懸念を和らげるとの期待が相場を押し上げた。STOXX欧州600種指数<.STOXX>は週間ベースで0.35%上昇し、2週連続で伸びた。

<ユーロ圏債券> ドイツ10年債利回りが過去最低となったほか、スペイン10年債利回りが初めて0.5%を下回った。中国の軟調な経済指標を受け、貿易摩擦の影響を巡る懸念や利下げ期待が高まった。

中東のホルムズ海峡付近で日本のタンカーなど2隻が攻撃を受けたことを背景に不透明感が強まったことも安全資産への買いにつながった。ドイツ2年債利回りは約1年ぶりの低水準。

中国国家統計局が発表した5月の鉱工業生産は約17年ぶりの低い伸びとなり、貿易問題で米国からの圧力が強まる中、需要の減少が鮮明になった。

世界経済が鈍化しているとの兆候が新たに示され、中銀に対する緩和圧力が増している。スイス国立銀行(中央銀行、SNB)のジョルダン総裁は13日、外為市場の動向は「脆弱」とし、緩和策とマイナス金利を維持するとともに、必要に応じて引き続き市場介入する方針も示した。

足元のユーロ圏金融市場は、欧州中央銀行(ECB)が来年中に10ベーシスポイント(bp)の利下げを実施することを完全に織り込んでいる。

大和証券キャピタル・マーケッツの経済調査部門責任者、クリス・シクルナ氏は「中国の経済指標、特に鉱工業生産の数値が失望的で、債券市場にさらなる勢いをもたらした」と述べた。

ドイツ10年債利回りは2.5bp超低下しマイナス0.27%と過去最低を記録。15年債利回りもマイナス0.06%と過去最低を更新した。

ユーロ圏全体では10年債利回りが3─6bp低下。フランスやオランダの長期債利回りも過去最低が視野に入っている。

スペイン10年債利回りは0.495%と過去最低を付けた。前年末は1.4%付近だった。

リフィニティブのデータによると、スペイン10年債利回りは8週連続で低下し、約25年間で最長となる見通し。

イタリア10年債利回りは6bp低下の2.31%。

ユーロ圏のインフレ期待を示す指標である5年先スタート5年物フォワードレートは4.5bp低下の1.14%と過去最低になった。

<為替> 欧州終盤 アジア市場終盤 コード

ユーロ/ドル    1.1216 1.1282

ドル/円 108.44 108.19

ユーロ/円 121.63 122.08

<株式指数> 終値 前日比 % 前営業日終値 コード

STOXX欧州600種 378.81 -1.52 -0.40 380.33 <.STOXX>

FTSEユーロファースト300種 1490.84 -5.38 -0.36 1496.22 <.FTEU3>

DJユーロSTOXX50種 3379.19 -11.31 -0.33 3390.50 <.STOXX50E>

FTSE100種 7345.78 -22.79 -0.31 7368.57 <.FTSE>

クセトラDAX 12096.40 -72.65 -0.60 12169.05 <.GDAXI>

CAC40種 5367.62 -8.01 -0.15 5375.63 <.FCHI>

<金現物> 午後 コード

値決め 1351.25

>

<金利・債券>

米東部時間13時56分

*先物 清算値 前日比 前営業日終盤 コード

3カ月物ユーロ 100.32 0.00 100.32

独連邦債2年物 112.16 +0.03 112.13

独連邦債5年物 134.09 +0.05 134.04

独連邦債10年物 171.78 +0.24 171.54

独連邦債30年物 200.82 +1.54 199.28

*現物利回り 現在値 前日比 前営業日終盤 コード

独連邦債2年物 -0.684 -0.018 -0.664

独連邦債5年物 -0.604 -0.010 -0.594

独連邦債10年物 -0.254 -0.014 -0.242

独連邦債30年物 0.325 -0.038 0.357

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、FRBの慎重姿勢で広範に買

ビジネス

米国株式市場=主要3指数が最高値、利下げ再開を好感

ビジネス

米CB景気先行指数、8月は予想上回る0.5%低下 

ワールド

イスラエル、レバノン南部のヒズボラ拠点を空爆
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の物体」にSNS大爆笑、「深海魚」説に「カニ」説も?
  • 2
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 5
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 6
    アジア作品に日本人はいない? 伊坂幸太郎原作『ブ…
  • 7
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 10
    「ゾンビに襲われてるのかと...」荒野で車が立ち往生…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 10
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中