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米中、WTO会合で非難の応酬 貿易体制巡り衝突
[ジュネーブ 19日 ロイター] - 世界貿易機関(WTO)で19日に開催された非公開会合において、米中は互いに国際貿易体制を弱体化させていると非難し合い、両国間の衝突があらためて浮き彫りとなった。ロイターが同会合のスピーチ原稿を入手した。
米国のシアWTO大使は、米国が危機の「震源」とした欧州連合(EU)のファンヒューケレンWTO大使の17日の発言も一蹴した。[nL3N1YM3YB]
シア大使は「貿易を歪曲する中国の非市場的な経済体制と、開放的で透明性があり予測可能な国際貿易制度との根本的な相違が危機を引き起こしている」と指摘。「この問題に対する(WTO)加盟国の取り組みが長年にわたり失敗してきたことも危機に拍車を掛けている」との見方を示した。
また中国は強制的な技術移転を模索し、特に戦略的産業において「あからさまに」窃取をもくろんでいると非難した。
シア大使は「中国は複数の産業に補助金を出し、過剰な生産能力を維持し、他国の生産業者を閉鎖に追い込もうとしている。消費者が安く買い物できるのだから問題ないとして、わが国の市場で製品を安売りしている」とし「容認できない」と述べた。
一方、中国商務省の高官は、トランプ政権の「無謀な行動」こそが危機の根源だと反論。「中国は一国主義や保護主義の口実や身代わりになることを断固拒否する」と応じた。
同時に、今月開催された米中首脳会談に続き、両国が「世界経済や貿易環境を安定させるために相互に尊重しながら同じ方向に進む」ことを望むとした。