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消費税上げ・貿易摩擦にしっかり対応、強い経済つくる=安倍首相
[東京 5日 ロイター] - 安倍晋三首相は5日、都内で開かれた年末エコノミスト懇親会であいさつし、米中貿易摩擦にしっかりと対応し、国際情勢に左右されない強い経済をつくっていくと強調した。10月に予定されている消費税率の引き上げの影響を跳ね返す対策を作成するとも語った。
首相は、2019年を展望して「何と言っても天皇陛下がご退位をされ、皇太子殿下がご即位になる。新しい時代が始まる」と語った。
そのうえで、来年の大きな出来事として10月に予定されている消費税率の10%への引き上げを挙げ、「連立与党として、しっかりそれに対応する経済政策をつくっている。消費税引き上げの衝撃をしっかりと跳ね返すものをつくっていきたい」と強調した。
また、貿易協議において、米国による中国への追加関税に90日間の猶予期間が設定されたことに触れ、「米中貿易戦争において、90日間は停戦状況にはなったが、来年は(期限が)切れる。これにしっかりと対応していく必要が当然ある」とし、「国際経済の状況に左右されない強い経済をつくっていきたい」と指摘。
米国を除く11カ国との環太平洋連携協定(TPP11)の発効や、国会で審議中の日本と欧州の経済連携協定(EPA)を踏まえて「来年は、まさに日本が世界経済、自由貿易をリードしていく立場に立っていく」と語った。
強い経済を目指して「思い切って賃上げをすれば消費も出てくる。経済の好循環も回っていくことは間違いない」と企業経営者にあらためて賃上げを要請するとともに、「日銀と一緒になって物価安定目標を達成をしっかりとやっていきたい」とデフレ脱却に意欲を示した。
その後にあいさつした黒田東彦日銀総裁も「内外のいろいろなリスクを見ながら、(物価2%)目標に向かってしっかり政策を運営していきたい」と語った。
(伊藤純夫)