コラム

イラン禁煙運動のトンデモ根拠

2010年08月02日(月)15時02分

 新種の禁煙キャンペーンがイランで始まったようだ。


イランに密輸入されたたばこは、欧米の陰謀によって豚の血と核物質で汚染されていると、同国当局者が述べた。

反喫煙協会のモハマド・レザ・マダニは、密輸されたマールボロは豚のヘモグロビンと何らかの核物質で汚染されていると、準国営メヘル通信に語った。

マダニは、マールボロを販売する米フィリップ・モリス・インターナショナル社は「シオニスト(イスラエルのユダヤ人)に率いられており」、汚染されたたばこを意図的に輸出していると主張する。


 たばこは、アメリカの合法的なイラン向け輸出の最重要品目の1つであり、ブッシュ前政権下での輸出額は計約1億5800万ドルに上った。だから形の上では確かに、イラン人の死に至りかねない依存症からアメリカ企業が利益を得ていることになる。ただ、豚の血をたばこに入れても儲かるとは思えないが──。

──ジョシュア・キーティング
[米国東部時間2010年07月30日(金)11時39分更新]

Reprinted with permission from "FP Passport", 2/8/2010. ©2010 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.

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国際政治学者サミュエル・ハンチントンらによって1970年に創刊された『フォーリン・ポリシー』は、国際政治、経済、思想を扱うアメリカの外交専門誌。発行元は、ワシントン・ポスト・ニューズウィーク・インタラクティブ傘下のスレート・グループ。『PASSPORT:外交エディター24時』は、ワシントンの編集部が手がける同誌オンライン版のオリジナル・ブログ。

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