<王室財政の透明性キャンペーン企画が直前でキャンセルされるなど、不可解な動きも>
英王室ジャーナリストで『アンドルー王子――その特権と没落(筆者仮訳、原題:Entitled: The Rise and Fall of the House of York)』の著者アンドルー・ロウニー氏と元王室警護隊長ダイ・デイヴィス氏がロンドンの外国特派員協会(FPA)で元王子の不正と捜査の進捗状況について語った。
【動画】王室の危機を象徴する出来事となった、アンドリュー元王子の逮捕
ロウニー氏は著書の改訂版を出したばかり。貿易特使時代の不正行為で逮捕・釈放されたアンドルー・マウントバッテン・ウィンザー容疑者=王位継承順位8位=の不正を長年にわたり追及してきた立場から王室の特権階級に蔓延する隠蔽工作を明るみにしている。
英大衆紙デーリー・メールと共同で進めていた王室財政の透明性キャンペーン企画が直前にキャンセルされた。同紙は読者ニーズに合わないと説明したが、チャールズ国王の報道官が同紙の元上級幹部であることから王室の働きかけがあったと疑うのが自然だとロウニー氏はいう。
2人の王女は慈善活動を隠れ蓑に特権維持に利用
改訂版には40ページが追加された。エプスタイン文書から得た資料や新たに寄せられた約60人の証言が含まれている。アンドルー容疑者の捕食的な性的行動、貿易特使としてアクセスできる機密情報の共有、元妻セーラ・ファーガソン氏の慈善団体の悪用が記されている。
世界金融危機時の金融機関に関する機密情報の漏洩、アフガニスタン・ヘルマンド州で300人以上の英軍戦死情報を機密情報として受け取ったにもかかわらずビジネス関係者に提供していた疑惑も浮上している。
アンドルー容疑者が起訴される可能性は極めて低いとロウニー氏はみている。司法当局や王室は「長期的な未解決案件」として棚上げし、うやむやにする構えを見せている。
アンドルー容疑者が法廷で裁かれ、これまで受けてきた王室からの保護や容疑者自身が知る内情を暴露することを王室が恐れているためだ。
アンドルー容疑者の娘ベアトリス王女とユージェニー王女は被害者ではなく疑惑に深く加担しているとロウニー氏は指摘する。
2人の口座を通じて資金洗浄が行われ、税金を使った外遊でビジネスコネクションが構築された。慈善活動を隠れ蓑に王族としての立場を特権維持の道具として利用している。