<英バーナム首相は、現在の教育政策が大学進学・卒業からホワイトカラーになるという画一的な成功ルートを過剰に重視してきたと批判している>

[ロンドン発]「ヘルメットも学位帽と同じように評価される社会をつくる」――アンディ・バーナム英首相は学力偏重の教育制度を根本から改め、14歳から実技・技術教育を学術教育と同等に位置付ける大胆な教育改革構想を英紙タイムズに寄稿(7月27日付)した。

バーナム氏は現在の教育政策が大学進学・卒業→ホワイトカラーという画一的な成功ルートを過剰に重視してきたと批判。これが現場仕事を軽視する風潮を生み、就業・教育・職業訓練のいずれにも参加していない若者(NEET)を100万人規模に拡大させた一因と指摘する。

労働市場のスキル・ミスマッチを解消するため、バーナム氏は基礎となる英語・数学・理科を残しつつ、14歳から地域産業と直結した質の高い専門・技術科目を履修できる枠組みを構築、マンチェスター市長時代に始めた「マンチェスター・バカロレア」を全国に広げたい考えだ。

若者の離職防止や手当依存からの脱却も視野

中央主導ではなく市長、自治体、学校、地元企業が連携し、製造業、クリーンエネルギー、ライフサイエンス、クリエイティブ産業など各地域の成長産業に対応したカリキュラムを設計。在学中から職場体験や企業とのネットワーク構築を促し、卒業後は実習への移行を円滑にする。

教育省の予算を技術教育分野へ優先的に配分する。学校監査を行う組織オフステッドの学校評価基準も改定し、実技教育や雇用支援に力を入れる学校を適切に評価する仕組みへと変更する。バーナム氏は若者の労働市場からの離脱防止や手当依存からの脱却も視野に入れる。

16歳が週12時間働いた場合、手取りは週約94ポンド。16〜17歳を対象とした所得制限のない障害手当は最高で週194ポンド。不安症などを理由とした申請が急増し、自宅にとどまり手当を受け取る方がパートタイムで働くより倍以上手元に残るという逆転現象が生じている。

「子どもの可能性の選択肢を狭める」との懸念も
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