<ミシガン州は共和、民主両党の勢力が拮抗する激戦州だが>
[ロンドン発]11月の米中間選挙に向けた中西部ミシガン州連邦上院選の野党・民主党候補者選びが8月4日行われ、急進左派の公衆衛生専門家アブドゥル・エルサイド氏が僅差で主流派ヘイリー・スティーブンス連邦下院議員を破り、急進左派の勢いを改めて印象付けた。
ミシガン州は共和、民主両党の勢力が拮抗する激戦州で、民主党が上院で多数派を奪還するには現有議席維持が不可欠。米紙ワシントン・ポストの首席政治記者ケアレン・タマルティ氏は8月5日付で党執行部と急進左派の攻防とその勝利が及ぼす影響を分析している。
ワシントンの民主党幹部や組織からほぼ満場一致の支持を受けたスティーブンス氏の陣営はTV広告費で8倍以上の優位に立っていた。しかし民主党の草の根支持層は「本選で勝てる見込みがある」という党主流派のロジックを信用しておらず「現状維持」の選択に強い反発を示した。
ミシガン州全体の本選を制することができるかは未検証
エルサイド氏はスティーブンス氏が親イスラエルロビー団体AIPACを中心とする外部組織から6200万ドルに上る資金援助を受けている点を徹底的に追及。巨大な資金力を逆に「企業政治の象徴」として攻撃する作戦が功を奏した。
若年層や高学歴層が多い地域でエルサイド氏が票を伸ばす一方、スティーブンス氏は低所得者や黒人有権者の多い地域を掌握した。キャンパスや大学街で支持された急進左派の運動がミシガン州全体の本選を制することができるかは未検証だとタマルティ氏は釘を刺す。
クリントン米政権で労働長官を務め、カリフォルニア大学バークレー校名誉教授のロバート・ライシュ氏は英紙ガーディアンへの寄稿(8月6日付)で「エルサイド氏の勝利の真の意味」と題して米国政治が直面する本質的な危機を指摘する。