<その答えは、簡単でした>

【戦争の原因】

男の子が父親に質問をした。

「戦争ってどうして起きるの?」

父親はうれしそうにうなずきながらこう口を開いた。

「なるほど。君もそんな質問をする年頃になったか。とても良い問題意識だよ。お父さんもしっかり考えて答えることにしよう」

父親はしばらく考えてから、再び話し始めた。

「例えば、アフガニスタンがアメリカを攻撃したとするだろう? そうするとアメリカは反撃をする。それにアフガニスタンが再び攻撃をすれば......」

すると、それまで話を脇で聞いていた母親がこう言った。

「あなた、それは少しおかしくない? どうしてアフガニスタンなの? それは偏見というものよ」

父親は渋い顔をした。

「僕はそういう意味で言ったんじゃない。分かりやすいように喩(たと)え話をしただけだ」

「アフガニスタンという実名を使う必要はないわ」

「いちいち、うるさいな」

「うるさいとは何よ」

2人の口論はどんどん激しくなっていった。そして、ついには物を投げ合うほどの大げんかにまで発展したのである。

すると、男の子が言った。

「やめてよ。もういいんだ。僕、どうして戦争が起きるのか、よく分かったから」

◇ ◇ ◇
2001年9月11日、米同時多発テロが勃発したその日、私は東欧のルーマニアで暮らしていた。

40度近い高熱によってちょうど自宅でうなされていた私は、旅客機が高層ビルに突っ込む映像を「映画? それとも悪夢?」などとぼんやり思いながら眺めた。

ニュース番組では「ヒロシマの恨みを晴らすために日本がカミカゼをやったのではないか」といったコメントが少なからずあった。古今東西、テレビのコメンテーターほどいいかげんな者はいない。

その後、米軍はアフガニスタンに侵攻。タリバン政権を瓦解させた。

学校でけんかは起きないの?

それから20年。米軍はついにアフガニスタンへの駐留を終了した。

バイデン米大統領は「この終わりなき撤退を延長させるつもりはなかった」として、自らの判断は正しかったと強調。一方のタリバンは「勝利」を宣言した。

それでも中国の領土的野心に歯止めはかからない
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