World Voice

アルゼンチンと、タンゴな人々

西原なつき|アルゼンチン

2022年W杯決勝直前のアルゼンチンから現地リポート

(Photo: istock_Grafissimo)

11月から始まったFIFAワールドカップ・カタール大会、いよいよアルゼンチン対フランスの決勝戦前夜。Twitterのトレンドに「眠れない(No puedo dormir)」というワードが入るなど、異様な盛り上がりを見せているアルゼンチンから現地の様子をお届けします。

(今これを書いているのはこちらの深夜3時なのですが、信じられないことに先ほど住宅街から打ち上げ花火が上がりました。私含め、みんな本当に眠れないようです。)



アルゼンチンでは今大会がリオネル・メッシの最後のW杯になるということで、開催前から期待値は非常に高まっていました。

ところが初戦から、今大会新しく導入されたVAR判定などにより、3つものゴールが無効となりサウジアラビアに敗れ、グループリーグ敗退の危機にすら見舞われる結果に。

アルゼンチン人は「この国では最初から事が上手く運ぶことはない、なんでもまず手始めに苦悩を経験することから始まる」とよく言うのですが、(Primero hay que sufrir...という有名なタンゴの歌詞から取っています)決勝までの道のりも色々なドラマがあり、終始ハラハラしっぱなしでした。



それでもやはりキャプテン・メッシのスーパープレイはどの試合でも輝いていて、駒を進めるごとにメッシの背番号10番が入ったユニフォームを着る人たちも街中に増え、準決勝を目前にアディダスの公式メッシユニフォームは高値にも関わらず完売。

メッシだけでなく、PK戦で大活躍した鉄壁のゴールキーパー、若き有力選手たちの活躍、またチームワークの良さも見え、チームの健闘・その盛り上がりっぷりに、普段はサッカーに興味はなく「W杯も準決勝くらいからなら見ようかな」と言う程度だったのに、毎試合欠かさずチェックするようになっていた・・・という人も周りに少なくありません。



そんな風に一試合ずつ熱狂の度合いが徐々に高まっていることをひしひしと感じるアルゼンチン、こちらは準決勝・対クロアチア戦の後の、街の中心部の様子をドローンで撮影したものです。

ブエノスアイレス中心部はアルゼンチンのユニフォームを着た人でひしめき合い、お祭り騒ぎは夜まで続いていました。こちら↑のツイートのスレッドには、ブエノスアイレスのみならず各地の試合後の街の様子も沢山投稿されています。

私はこの日丁度この写真のあたりに位置する劇場で仕事だったのですが、深夜12時過ぎに終わって外に出るとまだまだ人で溢れていました。

また、こちらは国民の気持ちを代弁したかのようなインタビュアーのメッシへの感謝のメッセージ、ということで様々なメディアで話題になりました。

この映像の中で「あなたのシャツを持たない子供はいません」と言っていますが、生活している中で、大袈裟でなく本当にそうなのではないかと実感します。

今チームでプレイしているメンバーたちも、メッシの存在に憧れて育ち、サッカー選手を目指した世代。

先日のクロアチア戦でメッシからのパスなどで2ゴールを決めたフリアン・アルバレスも、22歳という若さ。約10年前、11歳の時のインタビューでの「夢はW杯に出ること、尊敬する選手はメッシ」という当時の映像が残っていて、SNSで出回り話題となったのですが、メッシが長年アルゼンチンをはじめとする全世界の子供たちに与えた影響力というのは計り知れません。

(メッシとアルバレス)

(ここにはメッシの最初のW杯出場時に、今回選抜入りしているメンバーたちが何歳だったかがまとめられています。)

Profile

著者プロフィール
西原なつき

バンドネオン奏者。"悪魔の楽器"と呼ばれるその独特の音色に、雷に打たれたような衝撃を受け22歳で楽器を始める。2年後の2014年よりブエノスアイレス在住。同市立タンゴ学校オーケストラを卒業後、タンゴショーや様々なプロジェクトでの演奏、また作編曲家としても活動する。現地でも珍しいバンドネオン弾き語りにも挑戦するなど、アルゼンチンタンゴの真髄に近づくべく、修行中。

Webサイト:Mi bandoneon y yo

Instagram :@natsuki_nishihara

Twitter:@bandoneona

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