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「突然キレる」毒親のトラウマに苦しんだ男性が、「逃げない時間」を過ごし人生を取り戻した方法

2025年11月30日(日)11時30分
印南敦史(作家、書評家)
毒親のトラウマに苦しむ男性

写真は本文と関係ありません eyes on him-shutterstock

<毒親の連鎖を止めた10人の物語。異常な父親のもとで育ち、高校生にして飲酒でストレス発散するようになった男性は今...>

個人的すぎる話だが、ずっと母親のことで悩み続けてきた。母を肯定できず、愛し方というものが分からず、でもいつか亡くなれば、そこで区切りがつくのだろうと思っていた。

ところが、そうはいかなかった。母の他界から数年経つが、いまだに心の奥のほうにずんと重たいものが沈み込むような感覚に襲われることがある。死してなお、母は追いかけてくるのだ。

なぜ、ここまで苦しめられるのか。
『「毒親の連鎖」は止められる――トラウマの呪縛を克服した10人のケース』
ずっと理由が分からなかったのだが、『「毒親の連鎖」は止められる――トラウマの呪縛を克服した10人のケース』(旦木瑞穂・著、鉄人社)にある記述を目にしたとき、気づいたことがあった。

著者は毒親や介護など、家庭の諸問題についての取材を進めるうちに、「トラウマ」という言葉の一般的な理解と本来の意味との隔たりを感じるようになったという。

「心的外傷」を意味する「トラウマ」は、つまり生命や自己の存在に強い衝撃をもたらす出来事によって負った心の傷を指す。だが多くの人はそれを、戦争や災害など、滅多に起こらない劇的な出来事を経験した「特別な人」だけが負うものだと認識しているのではないかというのだ。


 もちろん、劇的な出来事を経験することで負うこともありますが、実際は、家庭では親からの虐待、夫婦間のDV、学校でのいじめや体罰、職場でのハラスメントなども原因となり得ます。「トラウマ」は、社会の身近なところに日常的に存在し、誰でも負う可能性のある「心の深い傷」なのです。しかし、そのことを理解して「トラウマ」という言葉を見聞きする人、実際に使っている人があまりにも少ないように感じていました。(「プロローグ」より)

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