【トクリュウ】犯行グループは「バカ」ばかり集める...闇バイトが一般人を引き付ける理由
闇バイトに参加する余地のある人にサポートを施すべき
だが、闇バイトに応募するのはその手の人間だけではないはずだ。なかには、闇バイトだと気づかないまま応募し、与えられた仕事が闇バイト犯罪だと分からないまま働いてしまった人もいるのではないだろうか。
前述のとおり、トクリュウにとって実行役は"使い捨て要員"、すなわち「捨て駒」なので、実行役が逮捕されることは大前提であると考えているようだ。したがって、仮に熱心に闇バイトを続けたところで、やがては警察に逮捕されてしまうだけだ。
著者は、「闇バイトに参加してしまう余地がある人に、知識を与えて啓蒙・啓発するだけではなく、社会的・福祉的にサポートする必要がある対象と捉えて、なんらかの対策を講じる必要性を感じる」と述べているが、本当にそのとおりかもしれない。

『闇バイトの歴史――「名前のない犯罪」の系譜』
藤原 良・著
太田出版
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[筆者]
印南敦史
1962年生まれ。東京都出身。作家、書評家。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。他に、ライフハッカー[日本版]、東洋経済オンライン、サライ.jpなどで連載を持つほか、「ダ・ヴィンチ」などにも寄稿。ベストセラーとなった『遅読家のための読書術』(ダイヤモンド社)をはじめ、『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』(星海社新書)、『人と会っても疲れない コミュ障のための聴き方・話し方』(日本実業出版社)など著作多数。2020年6月、日本一ネットにより「書評執筆本数日本一」に認定された。
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