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【トクリュウ】犯行グループは「バカ」ばかり集める...闇バイトが一般人を引き付ける理由

2025年11月4日(火)20時30分
印南敦史(作家、書評家)
闇バイト

yoshi0511-shutterstock

<『闇バイトの歴史』著者がトクリュウ関係者から聞き出した、驚きのリクルート方法>

『闇バイトの歴史――「名前のない犯罪」の系譜』(藤原 良・著、太田出版)の著者が述べるとおり、近年は犯罪構造の転換期なのかもしれない。
闇バイトの歴史――「名前のない犯罪」の系譜
オレオレ詐欺、架空請求、還付金詐欺といった被害者と対面せずに金品を騙し取る特殊詐欺は、薬物の売買、強盗、殺人へと、犯罪の種類を変化させていった。そして2022年に入ると凶悪な犯罪、いわゆる「ルフィ広域強盗事件」が起こる。

そうした状況に対応すべく、警視庁は2022年4月に特殊詐欺や資金洗浄の捜査摘発に特化した「犯罪収益対策課」を新設。2003年に組織犯罪対策部が発足されて以来の大規模な組織再編だった。


 そして二〇ニ三年七月、警視庁は組織犯罪の類型として"SNSを通じて募集する闇バイトなど穏やかな結びつきで離合集散しながら犯罪を繰り返す集団"のことを『匿名・流動型犯罪グループ(通称・トクリュウ)』と定義した。(「はじめに 犯罪構造の転換期」より)

トクリュウの最大の特徴は、内部での連絡のやりとりが、2013年に登場した「テレグラム」に代表される秘匿性の高いツールを通じて行われることだ。履歴も痕跡も残らず、案件ごとに離合集散してしまうため、芋づる式にグループを一網打尽にする従来のような捜査が難しい。


「『こんなものがあってもいいのかな?』って不思議な感じがしましたけど、使っても違法にならないのなら、『こんな便利な物はない!』ってなりましたよ」(80ページより)

著者の取材に対し、トクリュウの中枢被疑者(黒幕・指示役)をよく知る人物である槙岡紳也氏(仮名)はこのように述べている。

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