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トランプに先手を取られ、新興政党には後れを取った──石破政権を待つ「過酷な運命」とは?

Checkmate

2025年7月29日(火)18時13分
北島 純(社会構想⼤学院⼤学教授)

早期辞任はもはや不可避

しかし、現下の党内外の客観的情勢からすると石破首相の早期辞任は不可避であろう。自民党内からは両院議員総会の開催を求める署名活動が活発化し、退陣を要求する意見書が奈良県や新潟県など地方県連から提出されている。

自民党則はリコール規定を定めており、衆議院196名・参議院101名(改選後議席数を含む)計297名の国会議員に47都道府県の県連代表を合わせた合計344名の過半数(173票)の要求があれば、総裁選が実施される。現在の「石破おろし」はそうした総裁リコールの前哨戦となる勢いと広がりを見せている。

他方で参院選直後に野党各党の代表は、石破首相を前提とする連立を軒並み否定している。「泥舟」視されている石破首相が政党間の協議で今後、連立合意を形成できる余地はほとんど残っていない。


昨年11月の第2次政権発足時、石破首相は少数与党としての国会運営、裏金問題に端を発する政治とカネ、そして米トランプ政権との関係構築という3つの難題に直面していた。関門だった25年度本予算は森山幹事長らの国対政治が奏功し、高額療養費制度の見直しを凍結した上で、日本維新の会の賛成を取り付け成立にこぎ着けた。

防災庁の設置や地方創生伴走支援制度といった看板政策の実現に向けた動きも進展を見せており、得意の安全保障分野ではインド太平洋地域を一体的な戦域と捉えて防衛協力を強化するオーシャン構想を提唱している。

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