制御不能に凶暴化した愛犬...苦渋の「安楽死決断」に賛否の声

家族は複数のトレーナーに助けを求めたが、いずれも望むような成果は得られなかった。やがてスピリットの行動は予測不能になり、突発的な攻撃が起こるようになった。そして攻撃の後には、自分でも何が起きたのか分からないかのように混乱し、動揺する様子を見せていたという。

「1年以上にわたり、あらゆる方法を試してきたけど、ある日スピリットが我が家のシェパードミックス犬・リバーに襲いかかった」とアディさん。「スピリットはリバーの喉を完全にかみつかんでいて、もし私がすぐに割って入らなければ、リバーはもう生きていなかったと思う」

こうした出来事やスピリット自身の生活の質を踏まえて、アディさんは「行動上の理由による安楽死（behavioral euthanasia）」を選択した。あらゆる選択肢を試し尽くした結果、スピリットの苦しみはあまりにも大きく、「生き続けさせること自体が酷」だと感じたという。

「他の家に譲るという選択肢もあったけれど、万が一脱走して子どもや人間、他の動物を本当に傷つけてしまうリスクを考えたら、それはできなかった」と語る。

アメリカンケネルクラブによれば、「行動上の安楽死」とは、人間や他の動物に危害を加える可能性のある深刻な問題行動を理由に、犬の命を人道的に終えることを指す。こうした犬たちは「安全ではなく」、トリガーとなる刺激の有無にかかわらず、予測不能な攻撃性を持つという点で「信用できない」存在とみなされる。